パリモーターショーで実感したプジョー、ルノーらブランドの力 中国EVは存在感高める
連載《A RIDE FOR FUN》Vol.12
2024年10月14日、隔年開催のパリモーターショー(通称、パリサロン)のプレスデーに参加する機会を得ました。2022年に開催された前回の様子は連載初回(パリ点描 EVシフトと「駅ナカ」レストランの物語)でご紹介しましたが、この2年の間に世界の自動車産業は大きく変化しました。その変化の背景にあるのは、エンジン搭載車が電気モーターを動力源とする電気自動車(EV)に置き換わる「EVシフト」の進行です。今回は2024年のパリサロンでの注目点やオススメのグルメ情報をご紹介します。 【写真はこちら】EVで復活したルノーの往年の名車、圧倒的な人気を集めたアルファロメオなどはここをチェック!
欧州ではEVがハイブリッド車を含むエンジン搭載車よりまだ割高です。比較的裕福な消費者への需要が一巡したこともあり、このところEVの需要拡大のペースは鈍化しています。そのような状況の中、自動車メーカー各社はアフォーダブルな(値頃感のある)EVの市場投入を急いでいます。今回のパリサロンでは、コンパクトなBセグメントの新型EVの発表が相次いだことが最も特徴的な出来事でした。 「セグメント」とは主に欧州で用いられるボディーサイズを基にしたアルファベット順のA(スモールカー)からF(フルサイズ)まである乗用車の分類基準です。明確な定義はありませんが、Bセグメントは全長約3.6~4.4メートル程度のコンパクトカーを表します。 ちなみに、世界自動車市場で最も多くの販売台数規模を誇るセグメントがこのBセグメントであり、特に欧州では主要マーケットになっています。 これまで世界で販売されたEVの多くは比較的大きな車でした。1度の充電で走行できる航続距離を伸ばすために車載電池を大きくしたため、EVが大きくなる傾向にあったからです。それが最近になって、電池の性能が向上したことや、航続距離以外でのEVの付加価値や魅力が認識されるようになったことで、EVを小型化できるようになりました。電池の小型化はEVの値段を押し下げることにもつながっていきます。