パリモーターショーで実感したプジョー、ルノーらブランドの力 中国EVは存在感高める
■アルファロメオのエンジン車、美しさと存在感際立つ
ブランド力の強さを前面にアピールしたエンジン車の出展もありました。世界で33人しかオーナーになれない、イタリア・アルファロメオのスポーツカー「33(トレンタトレ)ストラダーレ」(冒頭写真)。昨年発表された新型車ですが、この車の美しさと存在感は飛び抜けていて、黒山の人だかりができていました。 私も今回のショーの中でこの車が一番美しいと感じ、長時間見ほれてしまいました。 イタリアらしい「LA PASSIONE(情熱)」の塊のような車。EVでもなく、今回のショーで初めて発表された車でもない。それでも多くの人を魅了するのはアルファロメオが長きにわたって築き上げてきた、高いエンジン技術とデザイン性に支えられたブランド力の強さがあるからでしょう。
■最多出展の中国メーカー、AI駆使し高まる存在感
今回のパリサロンで、国別の出展メーカー数で最多となったのは中国。前回のパリサロンと比べて中国メーカーの存在感がより一層強まったことは、会場で容易に実感できました。AI(人工知能)を活用したSDV(ソフトウエア定義車両)として差別化を図ったEVの発表が今回のパリサロンでは多かったです。 開催前から多くの注目を集めていたのが新興EVメーカーである小鵬汽車(シャオペン、Xpeng)。ドイツ・フォルクスワーゲンが昨年出資して、中国市場におけるEVの共同開発を進める会社です。パリの街中でもシャオペンのEVをちらほらと見かけるようになりましたが、実はパリサロンでは今回が初出展。 トップの何小鵬CEO(最高経営責任者)が直々にプレゼンテーションをし、「世界で初めてのAI定義車(AI-Defined Vehicle)」だとして、EVセダン「XPENG P7+」を発表しました。 自社製半導体を生かした高度なAI技術を活用し、テスラと同様に高価な自動運転用の高性能センサー「LiDAR(ライダー)」を使わずにカメラ方式で自動運転につながる先進運転支援システム(ADAS)を搭載。欧米日メーカーの一歩、二歩先を行くコネクテッド技術を搭載しながら、テスラの最量販車種「モデル3」を下回る価格設定で欧州にて販売する計画を明らかにし、数多くの驚きの声が上がりました