アドウォア・ビューティが セフォラ で成長を遂げた方法:The Glossy Summit
既存のリソースに関する透明性は、小売業者の期待管理に役立つ
最初の連絡はセフォラからだった。連絡を受けたアド氏は、深く関与してあとで苦しい状況にはなりたくないと思い、すぐに不安を感じたという。「(セフォラと提携したときの)投資についても、仕事量についてもわかっていた。正直に考えて、自分にはリソースなどがないことを知っていた」。 アド氏は、たとえセフォラのような店であっても、小売業への参入が早すぎて十分な製品を迅速に販売できなければ自分のブランドに悪影響がある可能性を理解していた。そこで、彼女は、自分の懸念や、インディーズブランドの自社チームとリソースにはギャップがあることについて、正直にセフォラに伝えたのだった。 「『10日間で男を上手にフル方法(原題:How to Lose a Guy in 10 Days)』という映画を観たことがある? 私の状況は、1時間で小売業者を失う方法というような感じだった」とアド氏。「私が感謝していることの1つには、実業界ではあまり期待されていないような誠実な関係を常に築けてきたことがある」。これは、創業者が「成功するまでは成功しているふりをしろ」と言うような状況かもしれないが、アド氏のアドバイスは、機会を徹底的に調査して、成功のために必要なものについて正しく理解すべきであるということだ。彼女がどこにリソースが不足しているかを説明すると、セフォラのチームからはそのギャップを埋めるサポートをするという申し出があった。「8カ月に及ぶ話し合いの後、チャンスを掴むことにして、契約書に署名した」。
セフォラからの発注があるからといって、融資が楽になるとは限らない
2022年の400万ドル(約6億円)の資金調達ラウンド以前、アドウォア・ビューティは完全に自己資金で運営されていた。ブランドとしてセフォラから初めて発注を受けたにもかかわらず、アド氏は従来の融資を確保できなかった。彼女は投資家からの関心を集めたものの、割合を手放すことには躊躇した。「興味深かったのは、自分が銀行融資や市場資本の融資を受けようとしていたことだ」とアド氏。「パンデミックの最中でさえ、助成金も受けられなかった。何も得られなかった」。