「ネットゥーノV6は、加速力も高速巡航性能もスーパーカーの領域! 退屈なはずがない」by 嶋田智之 これが、マセラティ・グレカーレ・トロフェオに乗った自動車評論家のホンネ!!
絶品のGTカーをつくらせたらマセラティは世界一!
今年もやりました「エンジン・ガイシャ大試乗会」。2024年、大磯大駐車場に集めた注目の輸入車36台にモータージャーナリスト36人が試乗! 530馬力を発揮する3リッターV6ネットゥーノ・エンジンを搭載するマセラティの高性能SUV、グレカーレ・トロフェオに乗った嶋田智之さん、松田秀士さん、斎藤慎輔さんのホンネやいかに? 【写真16枚】スーパーカーのエンジンを積んだマセラティ・グレカーレのトップモデル、トロフェオの詳細画像をチェック! ◆「このクルマ1台あれば」嶋田智之 絶品といえるGTカーを作るのが世界一巧みなのはマセラティなんじゃないか? と、SUVに試乗して感じさせられたのは、とても新鮮な体験だった。 マセラティにはその名も“グランツーリスモ”という麗しいスポーツモデルが存在するが、セダンやクーペに優れたGTカーがあるのと同様、SUVにだってグランツーリスモを体現するモデルがいくつかある。 その中でピカイチを選ぶなら、僕はグレカーレだと思うのだ。とりわけネットゥーノV6を積んだ“トロフェオ”がいい。 電動化の時代に突入してから開発された22年ぶりの自社設計ユニットは、加速力も高速巡航性能もスーパーカーの領域、そして何よりサウンドとフィーリングは感嘆符付きで語りたいレベルにある。それらを味わいながらのロング・ドライブが、退屈な時間になるはずもない。何せひさびさに走らせた今回の短時間試乗では、もっと走りたくて身悶えしたほどだ。 当然ながらシャシーも快適性とスポーツ性を見事に併せ持っている。このクルマ1台あれば、人生という長い旅路が間違いなく歓びに満ちたものになるはずだ。 ◆「飛ばすほどに幸せ」斎藤慎輔 プレミアム・ブランドのSUVは続々と登場しているが、これほど直球勝負的なものは珍しいかも、です。 エクステリアはマセラティの伝統に則り、極めた派手さはないが品を備えたもの。そして走りは徹底して拘っています。中でもトロフェオは特にそれが顕著です。 よく伝えられているように、エンジンは今回の大試乗会にも登場しているMC20と基本は同一。90°バンクの3リッター V6ユニットで、搭載位置に余裕があることもあり、さすがにドライ・サンプではなくウエット・サンプですが、その咆哮と豪快なパワー・フィールに、なんとも虜になってしまうのでした。 この快楽との引き換えだけならともかく、飛ばしていない時においてさえ、この時代にこの燃費でいいのでしょうか? と思ったりもしましたが、聞けばマセラティのお客さんに燃費を問題視するような人はまずいないのだとか。 それよりともかくパワーを、だそうで、そりゃあこうなるなと納得させられた次第。普段使いにも十分応えてくれますが、飛ばすほどに幸せになれるので、強固な自制心が必要になるのでした。 ◆「気品がある」松田秀士 ボリューム感のあるこの優雅なデザイン。それでいて彫刻のような手作り感。決してプレスされたラインではないかのような、張り出したボディ。マセラティのモデルはどれをとっても気品がある。グレカーレはそのマセラティの未来を現わしている。 グレカーレには300psと330psを発生するマイルド・ハイブリッドの廉価版モデル(といっても1000万円弱)があるが、試乗したのは530psを発生する3リッターV6エンジンを搭載したトロフェオだ。インテリアは歴史あるマセラティらしく天然皮革、カーボン・ファイバー、さらには木材を使った落ち着きのある調和のとれたデザイン。ドライバーズ・シートに腰かけると、ゆったりと落ち着き、誰かと会話したくなる。しかしトロフェオのメカニズムはスゴイ。心臓部はMC20に搭載されたネットゥーノ・エンジンをベースにした530ps/620Nmバージョン。これに8段ATが組み合わされ2030kgの車体を軽々と異次元の世界に加速させる。パドルを操作してシフトのアップ・ダウンをするたびに、とびきりのエグゾースト・サウンドが元気にしてくれるのだ。 写真=小林俊樹(メイン)/茂呂幸正(サブ) (ENGINE2024年4月号)
ENGINE編集部
【関連記事】
- 「アメリカンV8は内燃エンジンの世界遺産である!」by 清水草一 これが唯一の自然吸気V8 OHVを搭載するシボレー・コルベットの乗った自動車評論家のホンネだ!!
- SUV色をアップした新型ミニ・カントリーマンにもEVが登場 優れた走破性を持つ4WDモデルも設定
- 【動画付】「次に乗り比べるまで、結論はお預けにしよう」 驚愕の新技術、ポルシェ・アクティブライド・サスペンションとは? 新型ポルシェ・パナメーラに試乗!
- 「素手素足で岸壁にアタックするような硬派で剥き出しの手ごたえは、ほかの車では得られない」by 高平高輝 これがケータハム・セブン340Rに乗った自動車評論家のホンネだ!!
- 「乗り心地は超フラット ハンドルを切れば思い通りに曲がって、常用域では文句の付けようがない」by 山田弘樹 これが、プジョー408GTハイブリッドに乗った自動車評論家のホンネ!