横浜DeNA筒香に「ゴジラを超える」の声と可能性
横浜DeNAの4番で、きたるWBCで侍ジャパンの4番を任せられる予定の筒香嘉智外野手(25)が、いまだ実戦でノーヒット、17日に沖縄・浦添で行われたヤクルトとの練習試合でも、3打席連続の三振を喫した。それでも第4打席には、逆方向へヒット性の打球を放つなど、周囲の筒香への評価は揺るぎなく、元ヤンキース、巨人で活躍した松井秀喜を超えるのではないか、という声が強まっている。 元中日のレジェンド左腕で評論家の山本昌氏も、「筒香選手には、凄みが生まれている。逆方向へすべてバットの芯でしっかりと捉えるバッティング練習を見せてもらったが、その内容と目的を評価したい。近い将来、松井秀喜クラスになってくるかなという予感を感じさせた」と言う。 元千葉ロッテの里崎智也氏も、「筒香選手のバッティングの完成度の高さに驚いた。体にバットを巻きついてくるようなイメージ。松井秀喜さんを超える期待感を感じた」と、奇しくも同じく“ゴジラ”こと松井秀喜の名前と筒香を重ねた。 一昨年のオフには、単身ドミニカのウインターリーグに参加していた筒香だが、昨年オフは心機一転、中学時代に所属していたボーイズリーグ「堺 ビッグボーイズ」で極寒の中で自主トレを行い、師と仰ぐ矢田修一氏と田村知則氏の2人のアドバイスを受けながらキャンプインに備えた。 キャンプには、刀をイメージした棍棒のように太さが先からグリップエンドまで一定している1.3キロの重たい特製バットを持ち込み、ティー打撃で重心、バランスをチェック。フリー打撃では、例年通り逆方向から打ち始めた。2年前に尊敬する松井秀喜氏が、中畑清前監督のはからいで臨時コーチとして沖縄キャンプに来た際も、直接再確認した調整方法。その後、段階的に左右に打ち分けや、ファンサービスもかねてあえて柵越えを狙うなど、徐々にペースアップしている。 「体の使い方は、去年よりもまとまっていると思う。どんな状況でも対応できるように、あえて12、1月は寒い場所で、先生の教えを受けながら始動したが、今はやるべきことをやるだけ」 筒香自身にも手ごたえがあり、ラミレス監督も「いいアプローチで調整している。進化している」と、太鼓判を押している。昨年は、2冠。奢ることなく、自信をさらなる進化に変えようとしている筒香の姿が、日米通算507本塁打を記録した“松井秀喜超え”の声に変わっているのである。