横浜DeNA筒香に「ゴジラを超える」の声と可能性
ゴジラ超えとはすなわち、結果の継続性と、チームを優勝に導く不動の4番であり、50本塁打超えだ。 松井氏が初のタイトルを奪ったのはプロ入り6年目のシーズンで、34本、100打点で2冠、打率は.292だった。昨季、44本、110打点、打率.334で、2冠を獲得した筒香は、松井氏に1年遅れの入団7年目にしての快挙だったが、数字の単純比較で言えばすでにゴジラ超えを果たしている。 筒香は、22本、24本ときて、昨季が初の大台超えだったが、松井氏は初のタイトルを獲得した翌年から、42本、42本、36本、50本と安定した数字を残した。その間2度、2冠を獲得。2002年にはランディ・バース以来、17年ぶりとなる50本の大台に乗せ、打点も107をマーク、打率も.350をキープして、初の3冠王を狙ったが、最後は.334に終わり.343を打った中日時代の福留孝介(現阪神)に首位打者タイトルを持っていかれた。2000年から3年連続フルで4番に座り巨人での4番での試合出場は470試合を数えた。 現在、通産本塁打110本の筒香が「ゴジラ超えを果たした」と評価されるには、成績の継続性と、松井氏が4度のリーグ優勝、3度の日本一に貢献したようなタイトルに伴うチーム成績だろう。 山本昌氏は「筒香選手が3冠を取れば優勝に一歩近づくでしょうが、筒香選手が個人の力で取るのでなく、周囲が彼に取らせる形が重要になってくると思います。つまり打線のつながりです。投手陣は、山口俊の穴をどう埋めるかですが、今永、石田、砂田と、左の3人が目立ちましたし、ラミレス監督が昨年成功したように先発を我慢するという采配を今季も続け、筒香が怪我なく4番に座っていれば山口の穴はカバーできるんじゃないでしょうか。強力補強をした巨人が優勝候補になるでしょうが、私は凄みが増した筒香が4番に座るベイスターズに注目しています」と言う。 ちなみに「投手・山本昌」なら、今の筒香をどう抑えるのかを聞いてみた。 「正直、投げるところがない(笑)。彼にはインサイドが効かないので、そこのボールは使えない。配球は外中心。アウトローに逃げていくボールをいかに使うかという組み立てになるでしょうね。ホームランでなければ逆方向へのヒットでOKという割り切った考え方で対峙するしかない」、というところだそうである。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)