老舗タンナーが皮革のふるさと姫路で作る、こだわりの革:株式会社山陽
ー業界や地域活性のために、挑戦したいことを教えてください。 森本: 「革製品をより身近に感じてもらえるような活動を行っていきたいです。現在は、『山陽レザー・デイ』という名前で工場見学企画を月に1回行っています。(詳しくはこちらへ) 革に少しでも興味のある方に革づくりの現場を見てもらい、直接知ってもらいたいと思い始めた企画で、2年半ほど続けています。 また、革を使ったワークショップも最近はじめています。父の日には、姫路駅前にある靴屋さんとコラボして、父の日の企画でお父さん用のベルト作りをしました。 実際に革について学んだり、触れたりすることで、先ほど話したような倫理的な面の誤解を解くと同時に、愛着を持ってもらえるようになっていけばと思っています。 革製品は、手軽に使えるものではなく、敷居が高いものだと思われがちです。しかし、実際はそうではありません。昔から使っているもので、加工性も非常に高いものだと思っています。 私たちも情報発信をしていきます。多くの方が手に取り、それぞれの感性で使ってもらえるようになるといいなと。世界中の方に注目していただけるとうれしいです」 塩田: 「私は弊社に入社した当初から、“革づくりは、いただいた命を、もう一回蘇らせる仕事”だと言っています。そういう観点でもの作りをしていますので、いただいた命をいかに大切に使うかということを、みなさんにも意識していただけたらなと思っています」 戸田: 「ファッションのトレンドには、サイクルがあると思います。今の素材は何かをリサイクルして、新しく生み出されたものが多いと感じています。 昔から使われている革はまさにそういったリサイクル素材で、とてもいいものであることを、再認識していただけたらと。ファッションを通してそのように感じていただけると、私たちもとてもうれしいです」