NHK・BS『ワースポ×MLB』の平日キャスターを2024年から務める三宅絹紗アナウンサー photograph by Hirofumi Kamaya

今シーズンのMLBはドジャースのワールドシリーズ制覇で幕を閉じた。移籍1年目の大谷翔平はバッターとして50本塁打、50盗塁の「50-50」を達成し、2年連続3度目のMVPを獲得。ドラマチックなシーズンと大谷の活躍をあの人はどう観ていたのか――。NHK・BSメジャーリーグ情報番組『ワースポ×MLB』の平日キャスター、三宅絹紗アナウンサーに聞いた。〈全2回の前編/後編はこちら〉 【写真】「か、かわいい」三宅アナが決める“ドジャースポーズ”ほか撮り下ろし写真＆大谷秘蔵写真を大量お蔵出しを全部見る 　この1年間、MLBの試合を最も多く伝えてきた女性アナウンサーと言えるかもしれない。3月の開幕とともに『ワースポ×MLB』の平日キャスターに就任。シーズン中は全ての試合をチェックし、番組でその激闘を分かりやすく伝えてきた。 ――MVPを獲得した大谷選手の今シーズンの試合の中で、三宅さんが最も印象に残った場面は何でしょう？　 三宅　すっごく沢山あるんですけれど……2つ挙げさせていただけるなら、まずレッドソックス戦で放った30号です。外野席の看板と屋根の間に飛び込んであわや場外、という当たり。ホームランってあそこまで飛ぶんだ、と本当に驚きました。その日の解説が福留孝介さんで、「僕もプレーしたことがあるから分かるけど、あんなに広いドジャースタジアムであそこに入れた人は見たことがないし、考えられない」とおっしゃっていたのも印象的でした。

「あの日」の成績は世界史の年号みたい

――飛距離144mの特大の一発でしたね。もう一つは？　 三宅　やはり50号ですね。大谷選手の好調のバロメーターは逆方向への当たりと言われますが、まさにそのレフトへのホームランでした。50号という節目で大谷選手らしい一発が見られたという感動に加えて、そのスタジアムが昨年WBCで世界一になったローンデポ・パーク(マイアミ)だったことにも震えました。あの日は6打数6安打3ホームラン10打点2盗塁。この数字、世界史の年号みたいに暗記しています(笑)。普段伝えることがない、おかしな数字ですからね。 ――大差がついて登板した野手からも容赦なく打ち込んでいましたね。 三宅　急遽マウンドに上がった内野手の(ビダル・)ブルハーンも凄く必死に投げていたし、それを綺麗にあそこまで飛ばすというのも凄い。点差がある中でもお互いにリスペクトがある対戦でしたし、メジャーリーグってやっぱりいいな、と感じさせる場面でした。大谷選手の活躍で、改めてMLBの面白さ、野球の醍醐味を教えていただきました。 　三宅アナウンサーは2019年から23年まで『岩手めんこいテレビ』のアナウンサーを務めた。大谷は当時すでに海を渡っていたが、二刀流の故郷で生活し、県内のさまざまなニュースを伝えるなかで、その存在の大きさは常に感じていたのだという。 三宅　2021年のシーズンMVP、22年の2桁勝利と2桁本塁打など、大谷選手のニュースを県内に伝える一員であったことは本当にありがたかったです。岩手の方は大谷選手のことを物凄く応援していますし、どこか親戚のような温かい眼差しで見守っている感じがある。町に行けば「今日はどうだった？」、「打ったね」という会話があって、その活躍が皆さんの日々の励みになっていると感じました。世界のスーパースターだけれど、いつまでも身近な存在として岩手の皆さんの心の中にあるんですね。