日清食品 「冷凍 完全メシ DELI」絶好調 定期ユーザー前年比400% ブランド初の汁あり麺が登場
■遂に完成!「牛カレーうどん」「ちゃんぽん」
24年における「冷凍 完全メシ DELI」のトピックスの一つには、「完全メシ」ブランドでは初となる汁あり麺の発売が挙げられる。7月に「和風だしがきいた牛カレーうどん」、10月に「濃厚白湯スープのちゃんぽん」を上市した。 言うまでもなく「チキンラーメン」「カップヌードル」などインスタントラーメンを発明した同社だけに、“日清食品といえばラーメン”との期待が高まるところだが、「『完全メシ』でおいしい汁あり麺の開発は非常にハードルが高い」(堀部BM)という。「完全メシ」は栄養素とおいしさの完全なバランスを実現するため、一般的な商品に比べて開発上の制約が多いからだ。 特に汁あり麺では大きな課題が3つあった。まずは食塩相当量3g未満(1食当たり)に抑えること。一般的にスープのしっかりとした味作りに調味料の食塩は不可欠だ。2つ目はスープを飲み切れるおいしさを担保すること。すでに製品化している「汁なし担々麺」などはタレをそのまま麺に和えるため味わいをコントロールしやすいが、スープの量が多い商品は塩分を控えると物足りなく感じやすい。さらに「完全メシ」は1食トータルで栄養バランスを整えるという商品設計のため、スープを最後の一滴まで飲み干してもらう必要がある。これらをクリアすべく、スープの味わいや量など試行錯誤を重ねた。 1年以上の開発期間を経て、遂に「完全メシ」初の汁あり麺が完成。同社がこれまで培ってきた味づくりのノウハウを駆使し、「和風だしがきいた牛カレーうどん」は鰹と昆布のWだしにスパイスの辛みを調和させ、「濃厚白湯スープのちゃんぽん」は豚骨をベースに魚介の旨みと炒め野菜の香ばしい風味をきかせ、栄養素とおいしさの完全なバランスを追求しながら「最後の一滴まで飲み干したくなるつゆ・スープ」が実現した。 堀部BMは「栄養バランスが整っていて、しかもおいしい汁あり麺はまだ世間にもほとんどない。価値あるチャレンジになった」とコメント。 「まだまだ課題は多い」としながらも、将来的には王道のラーメンも商品化を目指す。