やり投げ北口榛花の願い「日本でも満員のスタジアムで競技を」 9月に世界陸上東京大会
パリ五輪で出した65メートル80は、女子のやりの規格が変更された1999年以降に開催された五輪の優勝記録としては最も低かった。北口は「今、女子やり投げは低迷期に入っている。そういう時だからこそ勝てているというのもある」と現実を受け止めている。
■記録に挑む
憧れのバルボラ・シュポタコバさん(チェコ)が現在も残る72メートル28の世界記録をマークしたのは27歳のときだった。3月、北口はその27歳となる。
「これからが統計的にやり投げ選手として最もいい時期になる」
照準を合わせているのは67メートル98のアジア記録。そして、パリ五輪前に夢で見た70メートル超えだ。「やっぱり世界記録保持者がいる、世界記録を狙える選手がいる種目は注目度が高い。世界の陸上ファンに応援される選手になるために、もっと頑張らないといけない」。記録でも自らの存在を示す1年とする。
■トップアスリートが集結
大会には約210の国・地域から約2千人の選手が参加予定(開催基本計画)。世界中から数多くのトップ選手が参戦し、火花を散らす。
花形競技の男子100メートルでパリ五輪を制したノア・ライルズ(米国)は、2023年ブダペスト大会で男子200メートルと男子400メートルリレーを合わせて3つの金メダルを獲得。2大会連続の3冠達成なるか、注目が集まる。
10度にわたり世界記録を更新し続けている男子棒高跳びのアルマント・デュプランティス(スウェーデン)や、女子走り高跳びのヤロスラワ・マフチフ(ウクライナ)ら世界記録保持者も出場が見込まれる。国立競技場で、世界新記録誕生の瞬間に立ち会えるかもしれない。
日本勢では、大会初日(9月13日)の最初の種目、男子35キロ競歩に登場する川野将虎(まさとら)(旭化成)に金メダルの可能性がある。川野は歴史の浅いこの種目で昨年10月、初代世界記録保持者となった。
大会2日目(14日)に決勝が行われる男子100メートルでは、サニブラウン・ハキーム(東レ)らの活躍に期待がかかる。