豪華寝台列車に座席指定特急、廃止区間の復活も 2017年の鉄道を振り返る
東武鉄道でSLの運行を開始、山口線ではD51の復活も
東武鉄道が運行を開始したSL列車が話題です。SL「大樹」と名付けられたこの列車は、これまでJR北海道が運行していたC11形207号機を東武鉄道が借り受ける形で導入しました。 牽引する客車はJR四国、運行を補助するディーゼル機関車や車掌車はJR東日本・JR西日本・JR貨物、そしてSLの向きを変える転車台はJR西日本からそれぞれ譲受。多くの鉄道会社が力を合わせた、一大プロジェクトといえます。 また、JR西日本では京都鉄道博物館で動態保存していたD51形200号機を、本線での営業運転ができる状態に再整備。11月にはSL「やまぐち号」を牽引し、見事に復活を果たしました。鉄道の原点ともいえる、SLの話題が鉄道ファンを沸かせた1年でもありました。
JR大阪環状線から103系が引退
新しく登場した車両がある一方、現役を退いた車両も。国鉄時代に3,400両以上が製造され、日本の通勤輸送を支えてきた103系電車が、10月に大阪環状線から引退しました。同線では48年間にわたって活躍し、「オレンジ色の電車」として親しまれた103系。関西本線や奈良線などでもう少しだけ使用される予定ですが、世代交代は確実に進んでいるようです。 国鉄といえば、特急「雷鳥」をはじめ全国で見られた485系電車も、定期運用から引退。最後は新潟地区で快速列車として走っていました。さらに、座席がベッドに転換できる“オールマイティ車両”583系は、最後の1編成が廃車に。世界的にも珍しい構造で、京都鉄道博物館などに保存されているほか、最後まで走っていたうちの2両が海を渡り、台湾で保存されることになりました。
JR可部線が延伸開業
明るいニュースをもう一つ。3月のダイヤ改正で、JR可部線(広島県)の可部~あき亀山間が延伸開業しました。鉄道の延伸開業自体は珍しいことではありませんが、このニュースの特筆すべき点は、この区間が一度廃線になった区間だということ。 利用客が少なかった可部~三段峡間が2003年に廃止されましたが、周辺に住宅が多い一部区間は廃止反対の声が強く、その後も需要が増え続けたことから復活されることになりました。一度廃線になった路線が、一部とはいえ復活した例はこれまでほとんどなく、全国から注目されています。