あなたの会社は何色? コーポレートカラーに込めた願い 主流は赤・青、緑が急伸
■青×黄色がインパクトを残す理由
ところで、街中のアイテムやマークなどで青と黄色のコンビネーションを目にしたときに、直感的に「IKEAみたい」とか、少し前なら「TSUTAYAカラーだ」と思ったことはないでしょうか。 色から企業が思い浮かぶというのは、コーポレートカラーで自社を印象付けるという戦略が成功している証拠です。そもそもIKEA(イケア・ジャパン)やTSUTAYA(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)の人気や知名度が高いというのも、色から企業が思い浮かぶ理由ではありますが、青と黄色という色の組み合わせのインパクトがポジティブな効果をもたらしているとも考えられます。 では、青×黄色のコンビネーションにはどんな秘密があるのでしょうか。コーポレートカラーで人気の赤、それと青、黄色は「色の3原色」です。赤はあらゆる色の中でも特に視認性の高い色。黄色も高いのですが、背景が白だったりすると見えづらくなってしまいます。青は先程述べた通り、赤ほどは目立ちません。つまり、同じ「色の3原色」の仲間でありながら、視認性の面では、青単体、黄色単体では赤のパワーには及ばないということです。 ところが、青と黄色を組み合わせてみるとどうでしょうか。コントラストが生まれて、赤に負けず劣らず、強い印象を与えることができます。3原色というシンプルな色であると同時に、強烈なインパクトをもたらすことができる。これが、青×黄色の組み合わせの妙なのです。 なお、かつての「TSUTAYAカラー」は、現在では、カルチュア・コンビニエンス・クラブが展開していた「Tポイント」と三井住友フィナンシャルグループが提供していた「Vポイント」が統合された新生「Vポイント」の色に引き継がれています。IKEAが青と黄色を採用しているのは、スウェーデンの国旗からの引用。青は湖を、黄色は黄金または輝く太陽を象徴するといわれています。 文:志村香織(ライフスタイルエディター&ライター、カラーセラピスト) イラスト:谷本ヨーコ