あなたの会社は何色? コーポレートカラーに込めた願い 主流は赤・青、緑が急伸
■信頼、誠実を示す青はクリーンな印象に直結
世界に目を向けると、コーポレートカラーに最も多く使われているのは青だといわれています。日本のコーポレートカラーにおいても赤に続いて人気の色で、伊藤忠商事、みずほフィナンシャルグループ、全日本空輸、サントリーホールディングス、佐藤製薬といった企業が採用。日本経済新聞社のアルファベットロゴも青ですね。 いくつかの企業が実施した調査によると、青は日本人が一番好きな色でもあるそうです。空や海を思わせる色であり、ネガティブな印象にならないので、使いやすいカラーといえるでしょう。 色彩心理の観点では、青は冷静、クール、爽やか、落ち着き、信頼、信用、誠実といったムードを演出できる色。赤のように目立つ色ではありませんが、知的でクリーンな印象を与えることができます。IT(情報技術)、医療、教育など、信頼をアピールしたい業界や業種に多く見られます。
■エコや安全を表す緑のロゴ
赤と青に続いて、近年増えつつあるコーポレートカラーが緑。寒色でも暖色でもない中間色で、可視光線の中では波長が最も弱く感じられることから、目への負担が少ない色です。心理的にもリラックス効果があり、穏やかな気持ちにさせてくれます。青と同じく、見た目のインパクトはさほどありませんが、好感を持たれやすいコーポレートカラーといえるでしょう。 緑が与えるイメージは、調和、リラックス、バランス、若々しさ、成長、広がりなど。森や植物など自然を想起させる色でもあることから、ナチュラル、エコロジカルな印象を与えたい企業が選ぶことが多いようです。主張が強くない色であるにもかかわらず、コーポレートカラーに採用されるケースがじわじわ増えているのは、すなわち、エコフレンドリーな姿勢をアピールしたい企業が増えている、ということかもしれません。 日本の企業では、三井住友フィナンシャルグループ、りそなホールディングス、ゆうちょ銀行、スターバックス コーヒー ジャパン(東京・品川)、花王、ニトリホールディングスなどが採用しています。 興味深いのがモスバーガー(モスフードサービス)で、元々店舗の看板もロゴも赤でしたが、2004年から少しずつ緑へと変更し、現在は全店舗で緑を採用しています。これは、「レストラン並みの高品質な商品をゆったりと落ち着いた快適な空間で、丁寧なサービスで提供する仕組み」を取り入れ、レストランとファストフードの双方の利点を生かした新業態「ファストカジュアル」の店舗の看板とロゴを緑にすることから始まったもの。 緑を選んだ理由については、「安心、安全、環境を象徴する色として採用した」と当時の公式ニュースに記載しています。コーポレートカラーは今も昔も変わらず赤のままです。