路頭を彷徨い、疥癬を患っていた親子猫を保護→入院治療し、里親に引き取られ幸せつかむ
親子一緒に育ててくれる人を探して
親子猫は1週間入院して、無事に退院した。その時、妊娠の可能性を危惧していた宇宙ちゃんは、なんと男の子だと判明した。 「獣医さんによると腹水ではなく、便が大量に溜まっていただけだそうです。身体にあった引っ掻き傷は、もしかしたら雄猫にいじめられていたのかもしれません。母猫の未来は風邪をこじらせたので、退院しても通院することになりました」 治療をしながら里親を探した親子。何度かトライアルに行っては戻ってくるのを繰り返した。数か月の間、2匹一緒に育ててくれることを絶対条件に里親を探し続けてきた未来ちゃんと宇宙ちゃん。2012年4月、ブログを読んでいたご夫婦から声がかかった。 「お見合いの話がとんとん拍子に進み、親子をお届けしたら、ケージやキャットタワー、数えきれないほど様々なオモチャを用意して下さっていました」
やっと掴んだ幸せ
名前は、漢字からひらがなになった。ずっと続くと思われた幸せだったが、2016年12月みらいちゃんの体に異変が起きた。検査の結果、癌が発見されたという。 「ご家族様は、未来のために出来る事は何でもやって、この先も一緒に楽しく暮らせるように、みらいの体を心配し、悩みながら向き合ってくれました」 抗ガン剤治療によって、「鼻が苦しそう」というのはなくなったが、だんだん食欲がなくなっていき、脳への転移があったのか、家の中を徘徊することが増えていったという。 「もう長くはないかなと思っていた矢先、4月18日の朝、ご夫婦が仕事に行く前に痙攣を起こし、そのまま亡くなったそうです」 みらいちゃんが弱っていく中、そらちゃんがみらいちゃんを励ますように寄り添う姿もよく見かけられたという。飼い主の夫妻は、 「もう少しみらいと一緒に過ごしたいという私たちのわがままで、みらいに辛い思いをさせてしまったかなと感じることもあります。みらいがいなくなってしまったのはとても悲しいですが、最近はそらが私たちを励ますように寄り添って来てくれます。そらもやっぱり寂しいのか、今までより甘えん坊になった気がします。普段はのん気なそらですが、そらの優しさを感じます。今までみらいに構ってばかりで、そらに寂しい思いをさせてしまっていたと思うので、しばらくは思いっきり甘えてもらおうと思います!」 夜の空気が凍り付く中、草むらに身を寄せ合って生きてきた親子。みらいちゃんもそらちゃんも揺るぎない幸せを掴んだことは間違いない。 (まいどなニュース特約・渡辺 陽)
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