来年のダービー候補クロワデュノール快勝「さらに良くなる」吉田俊介代表も笑顔/東スポ杯2歳S
<東京スポーツ杯2歳S>◇16日=東京◇G2◇芝1800メートル◇2歳◇出走9頭 1番人気のキタサンブラック産駒クロワデュノール(牡、斉藤崇)が3番手から抜け出し重賞初制覇を果たした。 勝ち時計は1分46秒8。3年前に制したイクイノックスと同じ父の産駒が6月の新馬戦以来の実戦で24キロの馬体増も、地力の違いを見せつけた。4分の3馬身差の2着に3番人気サトノシャイニング(牡、杉山晴)。2番人気のレッドキングリー(牡、木村)は3着に終わった。 ◇ ◇ ◇ ねじ伏せるように、クロワデュノールが抜け出した。スローペースを見越して4角手前からロングスパート。長い府中の直線でも、脚色は衰えなかった。後のG1馬を多数輩出した出世レースの呼び声高い舞台。着差以上の強さを感じさせ、過去に制覇した名馬たちに匹敵するパフォーマンスを見せた。 衝撃の数字だった。当日の馬体重はプラス24キロ。北村友騎手は「100点とは言えない状態」とジャッジした。そんな中でも勝ちきった相棒を「ポテンシャルの高さを感じます。馬に感謝です」と賛辞を惜しまなかった。 当然、未来は明るい。同じ父の代表馬イクイノックスは、3年前の勝ち馬で、後に世界一へ輝いた。同様の期待を抱かせる走りをした勝ち馬について、サンデーレーシング吉田俊介代表は「ここを使ってさらに良くなると思う。力はあるので、ここからうまくいきたいですね」と頬を緩めた。現時点で次走は未定だが、関西から現れた青鹿毛(かげ)の新星は、この先果たしてどんな世界を見せてくれるのか-。来年のクラシック戦線の中心はこの馬かもしれない。【深田雄智】 ◆クロワデュノール▽父 キタサンブラック▽母 ライジングクロス(ケープクロス)▽牡2▽馬主 (有)サンデーレーシング▽調教師 斉藤崇史(栗東)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 2戦2勝▽総獲得賞金 4551万5000円▽馬名の由来 北十字星(フランス語) ◆東スポ杯2歳S覇者の平地G1馬 97年キングヘイロー、98年アドマイヤコジーン、01年アドマイヤマックス、05年フサイチリシャール、08年ナカヤマフェスタ、09年ローズキングダム、10年サダムパテック、11年ディープブリランテ、13年イスラボニータ、14年サトノクラウン、17年ワグネリアン、19年コントレイル、20年ダノンザキッド、21年イクイノックス。