大学からラグビー始め歴代最多キャップ98…引退決めた大野均は”異色で不屈”「骨折隠し奇跡へ」「試合後4リットル酒」
振り返れば30代前半の頃は、第三者に「ベテラン」と呼ばれること自体にもかすかに違和感を抱いていた。再三繰り返してきた「若手にも負けん気を出していきたい」という談話は、試合中のボールを持たぬ際のハードワークで見事に体現していた。 付け加えれば、その「負けん気」は試合後の酒場でも発揮。2009年度のトップリーグのプレーオフ決勝ではひたすら走り回って体重を4キロも減らして試合後には4リットルのアルコールを摂取。「さすがに気分が悪くなりました」と淡々と述べたものだ。動く時は動き、飲む時は飲むのがこのレジェンドの真骨頂だった。 今回、ファンに共有された”勇退”の報せは、こうした史実の延長線上にある。だが、しかし…大野は本当に二度とスパイクを履かないのだろうか。 (文責・向風見也/ラグビーライター)