運のいい人が幸運をつかむ前にやっていること 「人生を一変させる」セレンディピティの掴み方
そう述べる著者の場合、これまでの恋人と出会ったのはたいていコーヒーショップや空港だったという。 コーヒーをこぼしてしまったり、ちょっと席を外す間にパソコンを見ていてほしいと頼んだりしたことがきっかけで会話が始まり、共通の趣味が判明することもあったそうだ。 これは、よくある恋愛ドラマのようなトピックだと解釈するべきことだろうか? きっと、そうではない。誰にでも起こりうることであり、それもまたセレンディピティのひとつなのだから。
そのことを実感するために、現在のパートナーとの出会いを振り返ってみてはどうか。 出会いはたまたまだっただけかもしれない。だがそれでも、相手との相性のよさ、共感できるなにか、共通の価値観などに気づいたからこそ一緒にいるに違いない。 そして、あなたはさまざまな過程において、相手との関係を成り立たせようと努力をしたことだろう。つながりを大切に育み、お互いに足りない部分を補い、刺激し合う部分を見つけ出したのではないか?
そうして偶然の出来事をとらえ、つかみ、努力した。それは単なる偶然ではない。セレンディピティだ。 ――15ページより
印南 敦史 :作家、書評家