運のいい人が幸運をつかむ前にやっていること 「人生を一変させる」セレンディピティの掴み方
生きている過程においてはしばしば、“予想もしていなかった出来事”が起こったり、“偶然の出会い”が訪れたりするものだ。 ■セレンディピティとは? そして、それらが人生に大きな影響を与えることも少なくない。 しかし、そうした偶然をチャンスとして活かせる人がいる一方、活かせない人がいることもまた事実。 だから活かせない人は、活かせる人のことを特別視して「あの人は運がいいからね」と羨むのかもしれない。 だが『運のいい人が幸運をつかむ前にやっていること: セレンディピティの科学』の著者によれば、偶然のチャンスは決して特別な人だけに与えられたものではないようだ。
それどころか、誰の身にも同じように降りかかる性質を持っているというのである。 すなわち、それが「セレンディピティ」。偶然降りかかるそのことに「気づき」、その気づきを別のなにかと「結びつけ」、結果として思いもよらなかった新たな価値を生み出す力だ。 本書のテーマは、人間の志や想像力と偶然の相互作用、すなわち「セレンディピティ」だ。 セレンディピティを定義すると「予想外の事態での積極的な判断がもたらした、思いがけない幸運な結果」となる。
セレンディピティは世界を動かす隠れた力だ。日々のささやかな出来事、人生を変えるような事件、さらには世界を変えるような画期的発明の背後に常に潜んでいる。 「序章 セレンディピティ――世界を動かす隠れた力」より セレンディピティが“私たちの身に降りかかる単なる偶然”ではなく、実は“点と点を見つけ、つないでいくプロセス”だと理解すると、他の人には断絶しか見えないところに橋が見えてくると著者は表現している。
いわば、それこそが“活かせる人”と“活かせない人”との差につながっていくということなのだろう。 ■世界はセレンディピティに満ちている 本書は、そんなセレンディピティが生まれるメカニズムを解明する科学的研究と、世界各地でセレンディピティを起こした多様な人々の事例をもとにして書かれている。 そして、読者の人生に幸運なサプライズが頻繁に起こり、そこからよりよい結果が得られるように、理論的な枠組みとトレーニング法が紹介されてもいる。