運のいい人が幸運をつかむ前にやっていること 「人生を一変させる」セレンディピティの掴み方
これはセレンディピティを受け身でなく、能動的なものととらえる、いわば「スマートラック(賢くたぐり寄せた幸運)」の発想だ。 (金持ちの家に生まれるといった)努力とは無関係に訪れる、「純粋な」幸運や運任せの姿勢とはまったく違う。 「序章 セレンディピティ――世界を動かす隠れた力」より つまりセレンディピティ・マインドセットは、圧倒的な成功と幸福を手にした人々が、有意義に生きるための支えとしてきた人生の哲学だということである。
そしてそれは、私たち一人ひとりが身につけることのできる“実践的な能力”でもあるのだ。 では、幸運とセレンディピティは、なにがどう違うのだろうか? 自然災害や大物スターとのはちあわせといった偶然を、自らの手で生み出すことのできる人はまずいない。 だが好機に敏感になることで、セレンディピティを誘発し、それを活用しうる状況を生み出すことはできる。 見過ごされがちだが、成功者の多くは、一見偶然の出来事に大いに助けられているように見えても、単に「運がいい」だけではない。
たいていは意識的あるいは無意識的に、そのような「幸運」を引き寄せるのに必要な準備をしている。 ――12ページより ともすれば私たちは、世界的な成功者たちを特別な存在と考えてしまいがちだ。けれども実際のところ、自分と周囲のためにセレンディピティを育むことは“誰にでもできる”のだ。 なぜなら、日常のささやかな場面から人生を左右するような大事件まで、セレンディピティは私たちの生活のなかにもあふれているのだから。
セレンディピティは“特定の誰かのための特別な能力”ではないということを、私たちはまず心にとめておくべきなのかもしれない。 ■気づきを結びつけると、解決策が生まれる 日常のなかで偶然何かが起き、それに気づき、注意を払い、もともと知っていた一見無関係な事実と結びつける。 2つを結びつけ、主体的に対応することで、それまで存在することすら気づいていなかった問題の解決策が見つかる。 ――14ページより そして、愛もまたセレンディピティから生まれるといえる――。