新生イタリアは絶賛から敗北へ、それでも伊紙記者が評価する理由…バロンドール級FWのいないアッズーリのフオリクラッセとは? | UEFAネーションズリーグ
【欧州・海外サッカー ニュース】ルチアーノ・スパレッティ監督率いるイタリア代表は、日本時間18日に行われたUEFAネーションズリーグ(UNL)のリーグAグループ2最終節でフランス代表に1-3と敗れたが、イタリア紙の記者は、一定の評価を与えている。 【動画】イタリア×フランス|ハイライト
トリノでイタリアのヤニック・シナーが男子テニスのシーズン最終戦ATPファイナルを制した日、ミラノでは、ルチアーノ・スパレッティ率いるアッズーリがUNLリーグAグループ2最終節でフランスに1-3と屈し、得失点差によりグループ首位通過を逃した。 MFニコロ・バレッラをトップ下起用した「中盤のイタリア」で賛辞を浴びたベルギー戦(1-0)の勝利から一転、グループステージで初黒星を喫したが、イタリア紙『La Gazzetta dello Sport』のアンドレア・ディ・カーロ副編集長は、失意のEURO2024ベスト16敗退からわずか数カ月でチームを再建したスパレッティを称えた。
わずか数カ月での大仕事
「個人競技と団体競技でスポーツの栄光の日曜日を夢見ていたが、シナーのファイナルでの華々しい勝利の後、ドッピエッタ(2連勝の意味)はならなかった」と落胆する一方、ベルギーも同居するグループでの2位フィニッシュを評価。「何試合も非常に良いテストを披露した後で、後味がやや苦いのは当然だろうが、どこから再出発したのかを忘れてはならない。EUROの瓦解はわずか4カ月前のことであり、この短い期間に行われた再建の仕事は計り知れないものだ」と賛辞を贈った。 「確かに直近の6失点は全てセットプレーからであることを考えれば、修正すべき欠点はある」と指摘。それでも「敗戦はチームの価値を下げるものではなく、地に足をつけさせてくれるものだ」と述べ、ベルギー戦で絶賛を受けた後の敗北がチームにとってプラスに働くことを主張した。 『DAZN(ダゾーン)イタリア』の番組にも出演経験のあるイタリア紙の副編集長は、フランス戦において「クオリティとフィジカルのある相手に対して中盤で苦しんだ」と分析。「クリーンなプレーができず、滑らかなビルドアップと素早いフィニッシュに欠けていた」、「突破口を見つけて脅威を作り出すクオリティが足りなかった」と振り返った。「イタリアは襲撃者のチームであり、スペースにおいて際立つが、走れるMFが多くいても、スペースが見つからなければ難しくなる」と敗因を語った。 しかしEURO終了後にスパレッティが行ってきた仕事を振り返り、「彼はシステムや選手を変更し、プロジェクトを改革した」と指摘。「若いチームであり、続けていく必要がある。一度の敗戦は妥当だ」と理解を示し、「この数カ月でプレーやアイデンティティ、魂、戦うことへの意欲やフレッシュさなどさまざまな前向きな要素を見出すことができた」と前向きにとらえた。
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