東京都議会議員補欠選挙で咲く花は何色か?今後の政局へ甚大な影響を与える“ほぼ”国政並みの都議補選9選挙区の解説!(坂本東生)
北区
自 v.s. フ v.s. 共 v.s. 維 前回都議選結果:自民、共産、公明(全3議席) 欠員前会派:自民党 月はどっちに出ているか、実態が見えにくいのに投票率が高い地域の多重構造 自民党は6期目の男性区議が19年ぶり2度目の出馬、都ファは昨年区長選に挑戦した元区議が移籍し擁立、共産は現職都議の後継として2期目の女性区議を、維新の会からは男性会社員が出馬した。 北区は、常に投票率が高い。そして友人知人への紹介や依頼というつながりも色濃い地域だ。だがその割に都議選はいつも「ふわっ」とした、つかみどころのない選挙戦になることが多い。区なのか都なのか国なのか、浮動票なのか組織票なのか、そもそもどんな主義主張なのか。選挙前に区議会会派を割ったり、他党の衆院公募に応募した直後にまた移籍したり、あっちにでたりこっちに手をあげたり。登場人物全員どっちを向いているのかよく分からなくなることが多く、有権者も判断に迷うのではないか。支持政党とは、議員が政党を名乗る意味とは。そろそろ皆さん落ち着かれたらどうですか?と、毎回心から思う。 国政において、長らく衆議院選挙区与党候補を立てていた公明党が隣の足立区29区へとスライドし、次回から自民党が擁立となる。この地域、3年前の都議選で共産党に抜かれて3位となった公明党が、来年に向けてどう今回の補選を踏み台としていくか、公明v.s.共産の見えない勝負も見ものである。
板橋区
自 v.s. フ v.s. 共 v.s. 維 前回都議選結果:公明、立憲、都ファ、自民、共産(全5議席) 欠員前会派:都民ファースト 政治不信が渦巻く舞台、選挙戦略巧みの役者がそろう選挙区 自民党は元職が7年ぶりの復帰を目指す、都ファは昨年の区議選で惨敗した1期生元区議が都ファに移籍し出馬、共産はベテラン女性区議が満を持して現職後継として登場、維新は衆院議員秘書を擁立した。 都ファの女性議員が選挙期間中の交通事故を起こし、ワイドショー総なめで大騒ぎとなった欠員の補欠選挙である一方で、日本中を渦巻く政治不信問題に関わる衆議院議員が選挙区を構える場所でもある。 有権者がこの数年の事態に対してどう判断をするのか。圧倒的に自公が支持を集める国政選挙と、同様に自公が議席を多く占める区議選。一方で都議選だけは自民がめっぽうに弱いという、ここ数年の選挙情勢。 候補予定者全員が区議・都議・秘書のいずれかの経験者で、20年以上近く政治に携わってきた方々も出揃う技巧派の戦いとなる。 衆議院選を間近に控える全国の関係者にとっても、自民党支持層だった有権者がどう投票行動を取るのかの大切な指標となる注目選挙区だ。 立憲は現職がいる関係で候補者を擁立しない分、今回の立憲票はきちんと共産に乗るのだろうか。 ここはひとつ、有権者には飛び交う情報や巧みな言葉に流されず板橋区のためになる人物を政策と人柄で判断し、信じることのできる方をぜひ選んでほしい。