東京都議会議員補欠選挙で咲く花は何色か?今後の政局へ甚大な影響を与える“ほぼ”国政並みの都議補選9選挙区の解説!(坂本東生)
府中市
自 v.s. 無 v.s. 無 前回都議選結果:無所属、自民 欠員前会派:自民党 『自民v.s.共産系反自民v.s.立憲系非自民』水面下で動く思惑 自民は3期目の女性府中市議が出馬、共産党は1月の府中市長選挙に出馬した候補を無所属として支援、もう一人無所属で非自民を掲げた女性が出馬している。 自民党ベテラン議員の逝去による欠員の補欠選挙で、公認は自民党1名、他2名は無所属と称しているがこの選挙区では無所属の解釈が難しい。 現職に無所属都議がいるがつねづね他選挙へのスライドの噂が飛び交っており、この都議を支援している(支援していた)各政党の水面下での動きが都議補選の様相を複雑にさせている。なぜ今回の補選に女性無所属候補を立憲として擁立しなかったのか、それともできなかったのか。都ファと公明はどう動くのかなど、駆け引きが続いている。 多摩地区特有の政党会派のパワーバランスと思惑が絡み、『自民v.s.共産系反自民v.s.立憲系非自民』をベースとした流動的な選挙が続いている。票の上すべり横すべりなどが推測され、選挙期間後半3日間で事態が動くことも考えられる。
南多摩選挙区(多摩市・稲城市)
フ v.s. 立 v.s. 無 前回都議選結果:都ファ、自民 欠員前会派:都ファ 急遽開催することとなった都議補選、急場の選挙にどれだけ対応できるかがカギ 都民ファーストは多摩市長選に2度挑戦した多摩市議会議員を急遽公認し擁立、立憲は25歳の初当選から6期多摩市議を務めた候補者を擁立した。また過去3回多摩市議選に挑戦している男性も手を挙げた。 都民ファーストのベテラン都議が都知事選告示日を目前に急逝され、補選の開催が決定された。まずは対応された都選管と多摩市と稲城市の選管職員の皆様にはその迅速な対応に頭が下がる。 この急場の選挙が決まった時、「誰が手を上げるのか」というよりも「誰が手を挙げることができるのか」がカギだったように見受けられる。都ファ候補は市長選で現職に挑んでいたこともあるが多摩市議会でやっていくと腹を決めていたように見られていたし、前回都議選で落選した女性前職が立憲から出ることも想定されたはずだ。また、この南多摩選挙区は多摩市と稲城市の合区であることから、稲城市議会からの動きも注視されていた。 今回の都議補選の3名はどちらも選挙経験は豊富であり、結果はこの急場の対応で有権者にどれだけ補選があることと出馬をしたことを知らしめることができるかにかかってくると思う。 東京都の選挙関係者界隈にとっては意外と目立たなかったこの南多摩選挙区だが、時間をかけても擁立に苦労する地域がある一方この短期間で都議補選の舞台が整った南多摩の底力を見た。多摩市稲城市がしっかりと競い合っての素晴らしい政策論争を期待したい。
終わりに
真面目に政策と人柄で候補者を選ぶが本来の選挙であり、この都議補選ではまさにこの「選挙の根本」が実践される状況にある。党利党略・私利私欲ではなくて都民の幸福・生命財産を守ってくれる候補者をぜひ確かな眼で見極めていただき、選挙に向かってもらえたらと思う。