トランポリン嫌いな日本代表・西岡隆成"家ではゲーム""高所が苦手"意外な素顔 日本史上初の五輪メダルへ
トランポリン界で日本史上初の五輪メダル獲得を目指すのは西岡隆成選手。 トランポリンを始めたのは小学1年生の頃。「2歳の頃から体操をやっていて、そこの教室でトランポリンがあった。僕がトランポリンを見てやりたいって言ったらしくて、それがきっかけ」と話します。 【画像】優勝トロフィーを手にしてパリ五輪への意気込みを語るトランポリンの西岡隆成選手 国内では2020年から全日本選手権3連覇を達成。東京五輪はもともと年齢制限で出場資格がなく、1年延期によりリザーブ登録。2021年に18歳で初出場した世界選手権では難度点『18.9』を出し、世界記録を叩き出しました。
監督曰く『空中の魔術師』も…高所が苦手
トランポリンは10回のジャンプで1つの演技が構成され、選手らは高い得点を出すべく技を組み合わせます。 その演技は、技の難度を表した難度点、出来栄えを採点した演技点、トランポリンの中心で跳べたかを測る移動点、そして跳躍時間点の計4つの項目で採点されます。 演技は約20秒で終了し、トランポリンの外に出たり、枠に触れたり失敗すれば即終了。長い年月の練習を、大舞台での本番1本に掛ける選手の情熱と緊張感が見所です。 西岡選手の武器は「トリフィス」と呼ばれる3回宙返り。パリ五輪ではそのトリフィスを10本中6本入れた演技を行う予定です。 3回宙返りをするには当然高さも必要で「トップ選手で言われているのは7、8メートルくらい。ビルの3階ぐらいで、高く上ってそのまま降りるので極端ですけどジェットコースターに近い」と西岡選手は話します。
しかし本人は意外にも「ジェットコースターは乗れない。観覧車も怖い」と高いところが苦手な様子。 また着地時に体に掛かる負荷も大きく「自分の体重の約10倍かかっているって言われている。
(自分は)約60kgなので600kgぐらいは掛かっている」と説明しました。 その負荷に耐えるべく、ふくらはぎの筋肉や体幹を支える腹筋背筋はバキバキに割れています。
西岡選手ならではの体の武器を聞くと「体幹はもちろん人並み以上ある方だと思うが、よく周りの選手から言われるのは、空中感覚や技の感覚がすごいいいと言われる。新しい技をやる時、すんなり1発目からできたりすることが多い」と話しました。 実際に男子日本代表の山本強化本部長は、西岡選手を「空中の魔術師」とたとえています。 「彼は空中でのコントロール能力が長けている。そこをうまく出していけば勝負できる」と説明し、ミスをしたとしても技のコントロールが難しい空中でうまく処理が出来ると話しました。 五輪でのメダル獲得が期待される西岡選手ですが、実は幼少期から続けてきたトランポリンを楽しいと思ったことはないそう。 「今もトランポリンが好きかと言われると好きとは言えない。家ではトランポリンの話とかはしたくない」 辞めたいと思ったことがあるか聞くと「めっちゃあります。小っちゃい頃からやってきているから、トランポリンしか残ってない。ただナショナルメンバーみんなで大会を乗り越えるところはすごい僕も楽しいし、最後終わった後にみんなでよくやったと盛り上がるのは楽しい」と明かしました。 そんな中、西岡選手の息抜きとなっているのはゲーム。 「ゲームが好き。小さい頃から練習ばっかりだったので、休みの日ぐらいは外に出たくないと家でずっとゲームをしていた」と話します。 2022年に左膝手術を行った際も「4ヶ月間ぐらいトランポリンをする機会がなかったが、ポジティブに「一旦ちょっと休憩」と捉えられた。もちろんリハビリはやっていたが友達とずっとゲームをやっていた」と話し、意外なアスリートの素顔も明かしました。 来たるパリ五輪に向けては「(五輪は)出たくても出られないような舞台だからこそ、緊張して力んで自分の演技ができないとそこの経験がもったいない。楽しかったといえる大会にしていきたい」と話し、「男女揃ってメダルを持って帰れるように頑張りたい」と意気込みました。