マスコミ対応のプロが斬る! 不倫夫の妻、謝罪の成功例と失敗例
”怒り”は共感を得やすい
痛快だったのは金子恵美衆議院議員が、夫である宮崎謙介元議員に言い放った「恥をかいてきなさい」。週刊誌で不倫を報道された宮崎議員は、当初は否定したり報道陣から逃げるといった対応をしていましたが、2016年2月12日記者会見を行い、議員辞職を表明しました。会見の前、出産直後の妻は、謝罪する夫に対し「やり直す気があるなら恥をかいてきなさい」と喝を入れたとのこと。この言葉には怒りと許しが同居しており、不倫された妻の心情を見事に表しています。 「許したくはないけれど、生まれてきた子どもの父親でもある。かといって、簡単には許せない。怒りをぶちまけたい。やり直す気があるなら皆の前で恥をかき、責められてきなさい。そうすればもう一度チャンスをあげる」 このような複雑な気持ちは多くの妻たちが共感できる感情ではないでしょうか。マスコミから逃げていた夫、宮崎元議員も、この言葉に押されて妻と子を守るためになすべきことは何かと考え、火だるまになる決意が持てたはずです。妻の怒りと許しの気持ちを表現すると共に、夫の決意さえも促す役割を果たした名セリフであったといえるでしょう。 (日本リスクマネジャー&コンサルタント協会 理事/広報コンサルタント 石川慶子)