柴田理恵 病で母が要介護4に。仕事を辞めて東京に引き取るか、それとも片道3時間の遠距離介護か…迷ったとき思い出した母の力強い言葉とは
◆子どもと親は別物なんだ そのうえ、母は「子どもと親は別物なんだ」という考えがとても強かった。 「親だから、子どもだから、といって依存し合うとか頼り合うのは好きじゃない。互いに置かれた立場や環境、歴史は違うわけで、まったく別物なんだから」 よくそう言っていました。 お互いは大好きで、仲の良い親子だけれど、そこは違うんだよ、分けて考えないとね、というのが、すごくはっきりしている人なのです。 なので、私が仕事を辞めたりセーブしたりして母の介護をすることには、当然、ハナから反対でした。それはほかでもない母自身が、何より仕事を大事に思い、生きてきた人だったからです。そんな母の思いを私はよくわかっていました。 私は、「富山で暮らし続けたい」という母の願いを叶えるため、今後のリハビリや退院後の一人暮らしを全力でサポートしようと腹を括(くく)りました。生活拠点は東京のままで、仕事を続けながら、片道3時間あまりの遠距離介護を行なう覚悟を決めたのです。 ※本稿は、『遠距離介護の幸せなカタチ――要介護の母を持つ私が専門家とたどり着いたみんなが笑顔になる方法』(祥伝社)の一部を再編集したものです。
柴田理恵