ラッコのリロ、死ぬ 17歳 国内で飼育中のラッコは2頭に 福岡
福岡市東区の水族館「マリンワールド海の中道」は4日、同館で飼育していた国内唯一の雄のラッコ、リロが死んだと発表した。17歳で人間に例えれば70歳ぐらいだった。国内で飼育中のラッコは、鳥羽水族館(三重県鳥羽市)の20歳のメイと16歳のキラのいずれも雌の2頭のみとなった。 【写真たっぷり】福岡市民を癒やしたラッコのリロ 在りし日の姿 リロは、2007年3月に和歌山県白浜町のレジャー施設「アドベンチャーワールド」での国内繁殖で生まれ、12年にマリンワールド海の中道に来た。餌の時間に飼育員の合図でポーズを決めるなどのパフォーマンスが人気で、休日のラッコプール前は多くの来館者であふれていた。 同館は24年12月27日、朝からリロに体調不良が見られたため、同日からの展示の中止を発表。元日に予定していた餌やり体験も中止となっていた。 国内の水族館でラッコの飼育が始まったのは1982年。ピーク時の94年には全国で計122頭が飼育されたが、米国やロシアからの輸入が途絶える一方、国内での繁殖も難しいため、飼育頭数は年々減少した。国際自然保護連合(IUCN)はラッコを絶滅危惧種に指定している。【松本光央】