ほしのディスコ「初対面の人に顔を笑われた」 先天性の口唇口蓋裂で生きづらさを感じた子ども時代 #今つらいあなたへ
「生きている意味がない」死を考えるほど悩んだ
ーー当時、容姿をいじられていた時はどんな心境でしたか? ほしのディスコ: 本当に外に出るのが嫌で、学校も行きたくなくて。でも家族には学校に行きたくないとかなるべく言わないようにしたかったので、なんとか学校は行っていたんですけど。「死にたいな」とかはすごく思った時期もありましたね。子どもの頃は自分の顔を自分で変えることはできないですし、手術も生まれて間もない頃から全部で8回しているんですけど、それだけやったとしても完全には良くならない病気なので「自分は一生変なままなんだな」って小学校中学年ぐらいの時に感じて。「このままだと、たぶん一生ばかにされて生きていく人生なんだな」と思った時に、「生きている意味ってないのかな」って思っちゃいましたね。 それで何度か死にたいなと思って、試してみようといろいろ考えたりはするんですけど、いざ行動しようとした時に怖さが出てきて、こんな自分でも生きたいんだなというか、死ぬことはできなかったですね。 ーーそういうつらい日々をどうやって乗り越えたのでしょうか? ほしのディスコ: 乗り越えたというよりは、ただひたすら時間が経つのを待っていたという感じですかね。とりあえず学校に行かなくてもよくなる日までなんとか耐えようみたいな。 ーー当時、心の支えはありましたか? ほしのディスコ: 母が献身的に支えになってくれて、毎週病院に行かなきゃいけなかったんですけど、すごい励ましてくれて。母だけは「そんなに人と違わないけどね」とよく言ってくれていました。自分では「そんなことはない」と思っているんですけど、その言葉だけでも嬉しかったですね。
自分が笑われるより、人を笑わせればいい
ーー現在はお笑い芸人ですが、当時からお笑いが好きだったのでしょうか? ほしのディスコ: 病気のことですごく困っていた時に『笑う犬の冒険』っていう、ウッチャンナンチャンやネプチューンさんのコント番組があって、そこで初めてお笑いを見たんです。今まで自分がいろんな人に笑われたりばかにされていたので、笑うということ自体があんまり好きじゃなかったんですけど、そこで初めて「人を笑わせることができるんだ」と感じたのを覚えています。そこからお笑いが好きになって、お笑いに救われていくっていう感じですね。 ーーそこから芸人になりたいと思うようになったんですね。 ほしのディスコ: そうですね。自分の容姿を見て誰かが笑うのではなくて、自分が逆に誰かを笑わせるようになればいいと思うことができて、そこからお笑い芸人になりたい気持ちが強くなりました。 死にたいと思っても死ぬことはできなくて、この先どういう理由で生きていこうかなと考えた時に、何か意味のある人生にしたいなと思って。自分が何かしらの方法で有名になって、社会貢献というか、自分と同じような悩みを抱えた人に少しでも勇気を与えられるような人生にしたいなと思ったんです。歌を歌うのも好きだったので芸人か歌手、どちらかで有名になれたらと思っていました。 ーー現在、いじめでつらい思いをしている人もたくさんいると思います。 ほしのディスコ: 僕の場合は、いじめや偏見を克服するために芸人になることを選んだんですけど、自分のやりたいことだったり、将来の夢だったり、そういう何か自分がやってみたいことをまずやれるように頑張ろうって思えたら、いじめとかそういうものも乗り越えられる気がします。子どもの時に経験したいじめや偏見は大人になっても決していい思い出にはならないですけど、「あの時の体験があったから今がある」って絶対思えるので、頑張ってほしいですね。