「示談してたのに…」は企業には一切関係ない。中居正広のCMを削除、「ソフトバンクの判断」が正しい理由とは?
■これからのCMタレントのあり方 先日、芸能関係者と話していたら、もう諦めたかのように「全員がクリーンであるべきだから、企業はおそらくAIキャラクターと契約したほうがいいね」と言っていた。 これは半分冗談だ。しかし、これから漂白された世界では、テレビやCMに出演するのは、ほんとうに生きている過程でクリーンだった方になっていくだろう。 それにAIキャラクターを使ったら、スキャンダルがないばかりか、ハラスメントの事件もない。現場で「疲れた」といわない。移動費や待ち部屋などのコストもかからない。CM撮影場所で「こんなセリフ言いたくありません」と苦情もいわない。事務所からのストップもかからない。年をとらないので表情も変わらない。費用も抑えられる。またマルチ言語にも対応できる。
もちろんデメリットもあって、AIキャラクターと知っていれば愛着を感じてもらうまで時間がかかるかもしれない。また、AIキャラクターはやりすぎであっても、アニメ等のキャラクターの活用はこれからも進むだろう。 同額を払うのであれば、キャラクターのほうが炎上は少なくなる。広告代理店のプレゼンテーションでも、アニメキャラのスキャンダルのなさがPRポイントとして強調されるだろう。 また、少しでもリスクを抑えるためなら、自社社員の活用も一手だろう。自社の商品がゆえに利点を知り尽くしているし、何よりモチベーションのアップにもなるだろう。
これまでの議論をまとめる。 消費者は単なる商品やサービスの購入者ではなく、企業の価値観や行動を見極める監視者にもなっている。SNS等で口コミをつねに摂取しているし、企業の選択や対応もリアルタイムで評価している。また社会的な反応を考えると、炎上が起きてしまったら、その芸能人の対象CM等を削除する流れはしかたない側面があった。 また、広告にAIキャラクターを採用する可能性はある。「漂白された世界」で安全策を取ることが、逆に消費者からの冷ややかな反応を招くリスクもあるため、できるだけ企業は採用する必然を演出する必要がある。