【闘病】「私死ぬんですか?」 ステージ4の『乳がん』から如何に生還を果たしたか
竹本さん(仮称)は、ある日の入浴中、胸にしこりを感じたそうです。不安を抱えて病院を受診すると、診断は乳がん、しかもすでに転移があり、ステージ4という厳しい現実に直面しました。 【イラスト解説】「乳がん」になりやすい人の7つの特徴 しかし、治療のための病院の予約は2ヶ月先。焦りと恐怖の中、竹本さんはどのように行動したのでしょうか? しこりを発見してから診断、治療開始までについてや治療中の想い、現在の体調や生活について、話を聞きました。 ※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2024年7月取材。
「悪性って何?」
編集部: 最初に違和感があったのはいつですか? 竹本さん: 2020年11月30日の入浴中でした。お肌の余計な油分を取ることなく洗えるというボディソープで身体を洗っていたところ、左胸に違和感がありました。確認するとゴルフボール位のしこりというか、「こぶ」のような感触がありました。 何度も両胸を触って確認しましたが右胸には何もなく、一人で「まさか? えっ……?」と気が動転していました。一度ゆっくりお風呂に浸かり落ち着いてから上がり、携帯で情報を調べ始めました。 以前、ブレストクリニック(乳腺専門のクリニック)へ検診に行った事があったので、まずはそこに診察予約を入れました。 編集部: 受診から、診断に至るまでの経緯を教えてください。 竹本さん: 2020年12月1日にブレストクリニックを受診すると、診察後、あっという間に「悪性です」と言われました。 「急いで転移してないかを調べるPET検査予約を入れます」「組織検査をするので横の処置室へ入ってください」と矢継ぎ早に指示をされ、涙も出る暇なく、何も考えられないまま言う通りにして、会計も済ませてクリニックを出ました。 帰り道、「あの先生は何を言っていたの?」「悪性ってどういうこと?」と自問しながら仕事に戻り、外回りの営業をして夕刻会社へ戻りました。それから1週間後、検査結果を聞きにクリニックへ出向きました。 編集部: 告知はどのような形でしたか? 竹本さん: 診察室では女医さんが画像を見せてくださり、「左乳がん3cm悪性HER2陽性。かなり進行の早いタイプです」「肝臓、骨、リンパに転移しています」「ステージ4です」と説明されました。 頭が真っ白になり、初めて涙が出ました。一言だけ「私死ぬんですか?」と聞いた事だけは覚えています。先生は否定も肯定もせず「進行が早いタイプなので急ぎましょう」とだけ言ってくれました。