【闘病】「私死ぬんですか?」 ステージ4の『乳がん』から如何に生還を果たしたか
「進行が早い、急ぎましょう」なのに診察が2ヶ月先…
編集部: どのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか? 竹本さん: 喘息の持病があったので、ここでは治療できないと言われ、ほかの病院へ受け入れの手配をしてもらうことになりました。 その病院の予約日が、2ヶ月以上先の2021年2月10日と言われ、「進行が早いタイプなので急ぎましょう」と言われていたのにあまりに先過ぎないか、と不安になりました。 編集部: そんなこともあるのですね。 竹本さん: がんだとわかり、「進行が早い」と言われたのに、診察まで2ヶ月以上必要というこの現実に愕然としました。 「こんなに医療が充実している日本という国で、自分のがんをすぐに治療してくれる病院、先生が見つからないなんて……」と絶望的な気持ちになったのを覚えています。 それまでは誰かが簡単に、治療する病院を決めてくれるものだと思っていました。誰かが敷いてくれたレールに乗るだけと思っていましたが、現実は違っていました。 編集部: そこからどうされたのですか? 竹本さん: 喘息の主治医に連絡し、事情を話して嘆願すると、12月10日に別の病院を受診できるように手配してくれました。そこが現在も通院している病院です。クリニックから、病理プレパラートや諸々の書類をもらい診察に行きました。 主治医が決まるまでが不安でしたが「すぐに抗がん剤を投与します。期間は未定」「やるだけの事を最大限やります」と言ってくれて、本当に安心して大泣きしてしまいました。自分の感情が分からなくなっていました。 先生はいっぱい泣いたら良いよと声を掛けてくださり、背中をさすってくださいました。まさに「手当て」でした。その手当てに本当に救われました。何も言わず横に座って背中に手当てをしてくださる。言葉にできない優しさを感じました。 編集部: 実際の治療はどのようにすすめられましたか? 竹本さん: 2020年12月15~18日まで入院して、抗がん剤治療を行いました。使った抗がん剤はハーセプチン、パージェタ、ドセタキセルです。 初日に喘息発作が出てしまい、呼吸困難となり、正常値が98%以上と言われる酸素飽和度が90%まで低下してしまったので、抗がん剤を中止することになりました。 薬の種類や順番を変えて投与してみたところ、その後は大きな喘息発作が出ることもなく、3週間に1度の通院での抗がん剤治療を続けました。