【闘病】「私死ぬんですか?」 ステージ4の『乳がん』から如何に生還を果たしたか
生きていたらまた頑張れる
編集部: 受診から手術、現在に至るまで、何か印象的なエピソードなどあれば教えてください。 竹本さん: 主治医と化学療法室の看護師さんに救われました。今でも定期検診で病院に行くたびに、化学療法室へ寄り、元気になったことをお話しし、逆にほかの患者さんにもパワーを送っています。診察日と抗がん剤の日はお洒落をしていきました。 ウィッグは毎回変えて、帽子も変えて、今まで選ばなかった色の服を着るようになりました。病院の玄関にいらっしゃる方にも「今日もお洒落ですね! リサイタルですか?(笑)」と話し掛けられ、仲良しになりました。 「気持ちで負けたらあかん!」と思い、見た目から気合いを入れて、自分を奮い立たせていました。 編集部: 病気の前後で変化したことを教えてください 竹本さん: ズボラになる練習、嫌な事からうまく逃げる練習、「自分ファーストで良いんだ」と思う練習を重ねて「鈍感力」がつきました。あとは、お金や保険のこともしっかり考えるようになりました。 がん保険にも色々ありますが、今はホルモン治療や通院でも給付金が出るパターンがほとんどです。病気になると、思った以上に長期にわたってお金が掛かります。治療で辛い気持ちを紛らわすアイテムや気分転換も必要ですし、本当にお金が要りました。 編集部: 今までを振り返ってみて、後悔していることなどありますか? 竹本さん: 「強いて言うなら」という前提ですが、食事を疎かにしていた事の反省はあります。食事を楽しむことをしていませんでした。自分の食べるものを疎かにすると言うことは、自分を疎かにしていたのではないかと思います。 編集部: 現在の体調や生活はどうですか? 竹本さん: 日によって不調はありますが、日常生活は思う様にできています。がんになる前の動きにはかないませんが、フルタイムで働けています。旅行にも行きますし、お洒落も楽しんでいます。現在の方が健康的です。 編集部: 医療機関や医療従事者に望むことはありますか? 竹本さん: 望みよりも感謝です。親身になって支えてくださいました。 編集部: 最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。 竹本さん: わたしはステージ4から復活できましたが、まだまだ転移の可能性もあるので日々病気と共存する気持ちで過ごしています。「がん」という人生の荷物がひとつ増えただけ、歳を取ると老眼鏡が必要になるのと同じことだと思う様にしています。 と言っても、最初からここまで前向きだったわけではありません。当時は「まさか私が」の、そのまさかが自分に訪れ、本当に何もかも全てが嫌になりました。 今、通常の生活だけで大変な方はたくさんいらっしゃると思いますが、この記事を読んだその日だけでも、ひと呼吸ついて自分の身体、女性は胸をしっかり意識して触ってみてほしいです。 少し違和感があればすぐに病院へ行ってください。 生きていたらまた頑張れます。 自分ファーストで自分を大切にしてあげてほしいです。私も、お空に旅立ってしまった友達の分まで頑張って生きていこうと思います。