【漢方ライフクリエーター・樫出恒代さんに相談!】若い時とは違う場所に汗をかくようになりました。それって、年齢のせい?
その1.「冷え」はありませんか?
「ご相談者さんの42歳という年齢を考えると、そろそろプレ更年期に入る頃。だんだん熱が上のほうに上がりやすくなると同時に、今度は下半身が冷えやすくなっていきます。 漢方的に言うと、それは「腎」の力が落ちている状態。腎は、とくに「腰から下のエネルギー」と考えます。高齢になると足腰が弱くなるのも、その下半身の力が落ちてくるから。 漢方で考える「腎」とは、腎臓という臓器という考えとは違い、生命エネルギーとつながるところと考えられ、私はよく「貯気箱」だよ、とお話ししています。 気=生命エネルギーです。その気を蓄えるところです。年齢とともに「腎」の力が落ちる、すなわち、生命エネルギーが低下してくると考えます。生命エネルギーが低下することで、「気血水」のめぐりが悪くなり、冷えやすくなります。 また、腎のちからが低下すると腰痛・足・むくみ・子宮の病気など特に下半身の不調が出やすくなり、下半身の冷えにつながります。腎は水のコントロールもするところなので、うまく水をコントロールできなくなり汗というかたちで、耳の周りや頭部に汗をかきやすくなります」 一方、熱は上に上がりやすくなる。そういった体のしくみからも、耳の後ろという、頭部のまわりに汗が出ている可能性もあるそう。 「その場合、汗を止めたいからと体を冷やすのは逆効果ですが、一時的に自律神経の通る首のうしろを冷やすのは、熱さと汗をとめることに役立ちます。 お腹や腰など、下半身を温めるようにしましょう。ゆっくりとお風呂に浸かり、リラックスしながら身体を温める。足首を回したり、足裏やふくらはぎのマッサージをして血行を促進させる。ウォーキングすると、上に上がった熱が下がり、汗も自然に止まってくるようになります」
その2.「臭い」はありませんか?
「薄いサラサラの汗の場合は該当しませんが、汗がドロドロして臭いが気になる…という場合、漢方では、血の巡りが滞る「瘀血」になっていると考えます。瘀血の症状がある人はのぼせて汗をかきやすく、血がドロドロになっているのです。西洋医学的には、年齢とともにパルミトレイン酸という皮脂に含まれる脂肪酸が増えて酸化し、加齢臭の元となる、ノネナールという成分に変化すると言われています。 改善策としては、血を作る元となる食生活を改善すること。揚げ物などの動物性タンパク質や甘いもの、刺激物やカフェインの摂りすぎを避けて、大豆や黒豆、生姜、ネギなどを積極的に摂るよう心がけてください。また、運動不足にも気をつけましょう」