『シン・ゴジラ』『ゴジラ-1.0』監督らが明かす…70年前に誕生した「ゴジラのメインテーマ」が代替不可能である理由
高見沢俊彦(THE ALFEE)
【ゴジラの教訓】 平成14年12月8日、北海道の音更町へコンサートで訪れた際、リハーサル前に音和の森自然公園にあった伊福部昭さんを讃える音楽記念碑に立ち寄った事は、今でも色鮮やかな思い出として心に残っています。その日はかなり雪深く、周囲が静寂の中、雪をかき分けながら歩く自分の姿がまるでゴジラのように感じられ、どこか嬉しさを覚えたものです。 初めてのゴジラ映画は小2で観た『キングコング対ゴジラ』(1962)でした。背びれが青く光りながら熱線を発するゴジラの姿に心を奪われ、以来、私はゴジラマニアへと変貌したのですが、ゴジラ映画には伊福部昭さんの音楽が絶対不可欠なのです。それは映画の中だけでなく、今も私の心の中で特別な存在として響き続けているからです。テーマ曲が映画館に響き渡る時、私は自然と童心に返り、その瞬間何とも言えない特別な高揚感に浸ります。 今年、伊福部昭さん生誕110周年でゴジラは70周年、かくゆう私も生誕70周年でバンドは50周年! 長く続ければ続けるほど人々の心に残る。それがゴジラ音楽から得た教訓です。 THE ALFEE 高見沢俊彦 1954年4月17日生まれ。ロックバンドTHE ALFEEのリーダー。楽曲制作、エレキギター、ヴォーカルを担当。1973年、桜井賢、坂崎幸之助と共にアルフィーを結成。1974年、シングル「夏しぐれ」でデビュー。1983年の「メリーアン」から2024年7月リリースの最新シングル「KO. DA. MA. / ロマンスが舞い降りて来た夜」まで、オリコンシングルウィークリーチャートで58作品連続ベスト10入りを果たしている。THE ALFEEは現在、全国ツアー「秋の祭典」を行っていて、今年の5月で単独有料公演数が2900本を記録した。また、高見沢は小説家としても精力的に執筆活動を続け、第4弾となる長編小説「イモータル・ブレイン」を文藝春秋社オール讀物に連載中である。