【何が…】斎藤知事をめぐるパワハラ疑惑、公益通報、不信任、SNS選挙と再選…激動の兵庫県政の裏側 「公選法違反」「百条委員会」「情報流出疑惑」2025年も続く余波
■2025年も続く余波…知事選でのSNS運用めぐり公職選挙法違反の刑事告発受理 警察・検察が捜査へ
斎藤知事をめぐる問題は他にもまだある。 11月に行われた知事選では、斎藤陣営が兵庫県内のPR会社に対して「ポスター制作費」などの名目で支払われた約70万円の支払いについて、公職選挙法に抵触する可能性が指摘されている。 きっかけはPR会社代表の女性が選挙後にネット上で公開したブログ。その中で代表は、斎藤陣営のキャッチコピーなどを提案し、SNS上で拡散させたことを成果として報告。「私が監修者として運用戦略立案、アカウントの立ち上げなど責任をもって行い、信頼できる少数精鋭のチームで協力しながら運用してきました」などと記載していたが、総務省は選挙運動を行った人物に、対価として報酬を支払った場合、買収罪が適用される可能性を指摘している。 斎藤知事の代理人弁護士は、「SNSの運用を依頼したり、広報全般を任せたりしたというのは事実ではない」と説明。街頭演説の撮影やアップロードを行っていたことについては「PR会社の活動としてでなく、個人がボランティアで行ったもの」との考えを示し、知事本人も投稿について「発信したことは後で知った」「事前に聞いていなかったので、若干のとまどいがある」などと語り、「公職選挙法違反にはあたらない」と違法性の認識を否定している。 これに対し、神戸学院大学の上脇博之教授と郷原信郎弁護士は、PR会社への支払いはSNSでの選挙運動を行ってもらう報酬であり、公職選挙法で禁止されている「買収」にあたるとして、斎藤知事とPR会社の代表を刑事告発した。 郷原弁護士は「SNS戦略を業としている会社が9月に業務の提案をしていることは認めている。この提案を断り、ボランティアでやるというのは疑問」と指摘。上脇教授は「投稿を見て、どう考えても選挙に主体的、裁量のある形でSNS戦略を行ったのは明らか。こんなことを許してしまったら全国に横行してしまう。強制捜査を含めて刑事事件として立件してほしい」と語っている。 PR会社の代表は、これまで取材に応じることはなく、捜査関係者によると、兵庫県警と神戸地検が12月16日付で告発状を受理したという。今後、知事本人や関係者から当時の状況や認識についての聴取などが行われる可能性があり、もし捜査機関が強制捜査に踏み切ることになれば、斎藤県政への影響は避けられない。