【赤裸々に語る】『全てを彼から学んだ』元検事正からの性加害訴える女性検事が激白「何度も殺された」 検察トップの犯行は「検察組織の土壌が作り上げたもの」「私は検事の仕事をしたいだけなのに…」(単独インタビュー全文掲載=後編=)
大阪地検の元検事正が、酒に酔った部下の女性検事に性的暴行を加えた罪に問われている裁判。女性検事が読売テレビの単独インタビュー取材に応じました。“検事のイロハ”を教えてくれたという元検事正と対峙する心境、謝罪から一転して無罪主張に転じた被告、検察庁に対する率直な思い…約2時間にわたるインタビューで女性検事が語った言葉を、2回にわたって、全文で掲載します。(取材・報告:丸井雄生・田淵菊子) (単独インタビュー全文掲載=前編=)【赤裸々に語る】『全てを彼から学んだ』元検事正からの性加害を訴える女性検事が激白「正直言って憤り」検察庁の対応に「職員を守る気がない」
■被告が一転「同意があったと思っていた」 女性検事「言うことが難しい状況でされた性行為=性犯罪」
大阪地検のトップを務め、法曹界で“関西検察のエース”とも呼ばれた北川健太郎被告(65)は、検事正在任中だった2018年9月、大阪市内にある官舎で、酒に酔って抵抗が難しい状態だった女性検事に対して性的暴行を加えた罪に問われ、2024年10月の初公判で「公訴事実を認め、争うことはしない」として謝罪しましたが、12月になって一転、「同意があったと思っていた」などとして、無罪を主張する方針を弁護人が明らかにしました。このため、次回の裁判期日は未定のままとなっています。 Q(記者) 被告の「同意があったと思っていた」という主張に対し、「同意はなかった行為だ」と主張されているが。 A(女性検事) 私個人はもちろんそう思ってるし、まず被害者側に同意がないかどうかについては、私は同意をしていないので同意がなかった、この被告人に私が同意していたと思っていたと言えるのかどうかというところが、今回のポイントだと思うのですが、法改正されて、同意をする、同意をしないという気持ちとか発想を持つことすら難しい状態でされた性行為というのが性犯罪だと定義されましたし、同意をしないという発想は持てたけれど、それを表に出すこと、言うことが難しい状態でされた性行為が性犯罪というふうに定義付けられました。 それは何かといったら、要は性行為はすごくプライバシーの高い行為で、男女間でお互いに性行為に同意するという明示の意思表示があって行われるべきことで、だけど性犯罪は明示の同意というのがないわけじゃないですか。明示の同意をできない状態でされていることが多いので、そうすると被害者側にとってみたら、同意をしていないよという気持ちすら、発想すら持てないような状態でなされた行為は、加害者側から見たら、同意しない意思を示してないではないかと。 だから、(加害者側が)同意があったと勘違いしたというふうにつけこんでいくわけなのですが、そうではなくて、同意しない意思を示したりできない関係性で至る経緯で、その犯行状況とか、場所とか時間帯とか、置かれた被害を受けている状況などに照らすと、それは同意しない意思を明らかにするのは難しいよねと、あなたもわかるでしょうということさえ言えれば、その加害者側の内心に故意はあったと言える。だから、事実関係さえ認識していればいいとされている。 私のことを例に出すとあまり適切でないかもしれないですが、例えば、すごく圧倒的な社会的関係の差、上下の関係の差があって、その2人の間に個人的な男女の関係がなかったと。そうすると、その関係性だけで、いきなり性行為が始まったりしたら、同意しない、同意していませんということを言うことすら難しいのは、それはあなたもわかるでしょうという話で。