【新日本】ライガーが占うドーム2連戦 Jr.王座戦はデスペ優位だが…「DOUKIの生命力には誰も勝てないよ」
獣神サンダー・ライガーが気になる話題やプロレス観を語る「獣神激論」の来年1月4日、5日東京ドーム2連戦直前特別編。3回目の今回は、4日大会のIWGPジュニアヘビー級王座戦(王者DOUKI vs 挑戦者エル・デスペラード)をピックアップ。2人をよく知るライガーが、ジュニア頂上決戦を分析する。 【ライガーが語る獣神激論(特別編3)】IWGPジュニア王座戦は、王者DOUKIと挑戦者デスペラード。いやあ、DOUKIのメキシコ時代を知っている僕からしたら、とてもじゃないけど彼がここまでの存在になるとは想像もつかなかったよ。 俺とかタイチ選手が行った時が、かなりひどい状況だったのよ。収入もそんなになかっただろうし、経済的にもすごく苦しかったはずなのに、そんな中でもアレナ・メヒコに練習に行ってね。本当にゼロからのスタートだったと思うし、そいつが努力だけで…もちろんいろんな人にも支えられたんだろうけど、ここまではい上がって来て今IWGPジュニアのチャンピオンだよ? 挑戦者じゃなくて。本当にすごいよ。 2019年から新日本に定期参戦して、今回初めての東京ドームの本戦を自分の力で勝ち取った。家族の方を呼んで晴れ姿を見せてあげてほしいね。本人は「もう苦労人みたいなイメージからはもうそろそろ…」って感じなんだろうけど。僕がまだ現役の時、彼の家族が後楽園に応援に来てて「ライガーさん、メキシコの時はお世話になりました」って言ってくれてたんだけど「いやいや、彼の努力でここまでのし上がってきたんです」ってお話もさせてもらったんです。 ここまで来るのに家族の協力もあったんだろうし、プロレスラーになるためにメキシコに渡るっていうのは僕自身と重なるところがあったからね。僕は本当、勝っても負けてもDOUKIおめでとうって言いたいね。ここに王者として立つだけで、お前は人生の勝者だよって。DOUKIにしてみたら「ライガーさんいい加減にしてください」って言うかもしれないけど、そういうのを見てるとね…年取ると涙腺弱くなるのよ、おじちゃんは。 そうそう、DOUKIは試合順に異を唱えていたよね。ノンタイトルの試合(内藤哲也 vs 高橋ヒロム)がセミにある中でジュニアのタイトルマッチが6試合目はおかしいと。いいじゃん、この試合の結果いかんで次の年に彼がまた王者だったら「セミにしようか」「メインにしようか」って議論になるかもしれないし、それがお前の力の見せどころなんだよと。 ジュニア軽視って思われることは過去にもあったけど、あとは本人の実力よ。試合内容よ。ファンは正直だから。「DOUKIの試合もっと上でよかったんじゃねえ? 面白いじゃん」って一人でも多くに言わせたら、彼の勝ちなんだよ。僕も現役時代はいろいろ経験させてもらったけど、今思えばそれも会社の叱咤激励だったんだなって思えるしね。 一方で挑戦者のデスペラードは、もうヒロムと一緒で新日本のジュニアのトップだよね。ここで王者のDOUKIと戦ってデスペラードが試合を引っ張ったみたいなことになったら、DOUKIの評価は落ちていくし、デスぺは上がっていくよね。1試合1試合、会社もレスラーを査定して試合順も組んでるんだよ。プロレスラーは常に会社から、ファンから見られてるんだから、試合で見せつけるしかないんだよね。 勝負論で言うなら、僕は悪いけどこの試合はデスぺ優位で見てる。やっぱり実力が違うよ。いろいろ経験しているし、体もデカいし。たださっき言ったように、DOUKIの生命力には誰も勝てないよ。本当にすごい男だと思ってる。
獣神サンダー・ライガー