いよいよ始まる“2024鈴鹿最終決戦” スーパーフォーミュラ最終戦プレビュー
2024年の全日本スーパーフォーミュラ選手権も、シリーズチャンピオンが決まる最終大会がやってきた。今回は鈴鹿サーキットを舞台に週末に2戦連続で行われる。
全9戦のうち7戦を終えて、坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)が86.5ポイントで首位につけ、それを牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が72ポイント、野尻智紀(TEAM MUGEN)が70ポイントで追いかける状況となっている。
その他にも岩佐歩夢(TEAM MUGEN/55.5ポイント)、福住仁嶺(Kids com Team KCMG/46ポイント)、山下健太(KONDO RACING/43.5ポイント)の合計6人がチャンピオン獲得の可能性を残している。ただ、ポイント差を考えると最終的に上位3人による争いになりそうな気配だ。
改めて前回を振り返ると、富士スピードウェイを得意とする坪井が2連勝を飾り、シーズンの流れを変えるような快進撃をみせた。2レース開催のフォーマットでは、調子が良ければ一気にポイントを稼ぐことができると言われてきたが、まさにそれを体現するかのような結果となった。
一方の牧野は、1レース目の第7戦は予選での失敗が響いて4位、第8戦は展開に恵まれず3位となった。ライバルたちとは異なり予選でポイントを獲得できなかったのが少々痛手となった。
8月のもてぎ大会までランキング首位を死守していた野尻も、富士では苦戦。2レースとも7位と満足いく順位で終えられることができず、坪井にリードを許すことに。他のカテゴリーとは異なり、年間7大会で行われるスーパーフォーミュラでは、流れを掴むということも王座獲得の上では大事な要素となってくる。そういう意味では、最終大会が開幕する前の段階では、坪井が流れを持っていると言って良いかもしれない。
チャンピオン決定戦に向けて勢いはつけられたものの、決して楽観視している様子が全くないのが坪井陣営。レース後にTOM’Sの山田淳テクニカルディレクターが話した時も「富士は我々が2連勝できたけど、鈴鹿に行くとその逆も十分にあり得る。だから気を引き締めていかないといけない」と、緊張感が増している様子だった。 ひとつの週末で流れが一気に変わる可能性がある……それが2レース開催の“コワイところ”なのかもしれない。