JPモルガンが米株強気にくら替え、コラノビッチ氏の悲観と決別
大手銀行やアナリストの株価予想は、向こう1年は強気が主流だ。ゴールドマン・サックス・グループとモルガン・スタンレー、バンク・オブ・アメリカ(BofA)の予想はS&P500種で6600近辺。ドイツ銀行とヤルデニ・リサーチは7000の高水準を予想している。
米国株への楽観はただ、岐路に立たされている。S&P500種の株価収益率(PER)は1年の利益予想ベースで22倍を上回る。過去10年の平均は18倍だった。トランプ次期米大統領が公約した関税や労働者の強制送還といった政策で、インフレが再燃すれば国債利回りが跳ね上がり、株式を圧迫する可能性がある。
「政策行動や大統領令のタイミングや規模、波及的な影響など、企業利益には未知の部分が依然大きい」とラコスブハス氏。そうした「混乱を引き起こす要素が極めて多い政策と、それが株式にもたらすダウンサイドのリスク」はあるものの、「トランプ氏の市場重視姿勢と、政策金利の引き下げ、中国による景気刺激の取り組みが株式相場を下支えするはずだ」と述べた。
原題:JPMorgan Drops Kolanovic Pessimism and Predicts US Stocks Rally(抜粋)
--取材協力:Jess Menton.
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Alexandra Semenova