横浜F・マリノス指揮官の“指笛疑惑”を巡ってネット炎上…その真相は?
J1戦線の首位を独走していた川崎フロンターレを猛追し、優勝争いをマッチレース状態に変えつつある横浜F・マリノスに“指笛疑惑”が水を差した。 敵地・豊田スタジアムで1-2と苦杯をなめた、18日の明治安田生命J1リーグ第29節で、名古屋グランパスが得点チャンスを迎えた前半26分に主審のホイッスルのような音が発生。オフサイドを宣告されたと受け止めた両チームの選手たちが、一瞬ながら足を止めたシーンが21日になって大きな波紋を広げた。 指笛を吹いたのでは、と見られているマリノスのケヴィン・マスカット監督が疑惑を真っ向から否定した一方で、主審を務めた家本政明氏がツイッター上で、マリノスベンチから指笛が鳴ったと名古屋側から指摘を受けた経緯を含めたつぶやきを返信した。 ネット上には直近にマリノスが戦った別の3試合でも、ピンチを迎えた場面で同様の音が発生していた動画もアップされるなど、意図的ならばフェアプレー精神を著しく欠いた大問題だという批判に加えて、Jリーグによる事実解明を求める声も相次いだ。
名古屋の選手が「指笛が鳴った」と抗議
波紋を広げ続けている場面は、名古屋が1点をリードして迎えた前半26分に訪れた。 自陣の中央でボールをキープしていたDF森下龍矢が前を向き、すかさず左前方へ山なりのパスを通した。ターゲットのFWシュヴィルツォクはマリノスのハイラインの背後を上手く突き、オフサイドぎりぎりのタイミングで抜け出したかに見えた。 直後に主審のホイッスルにも似た音が、ピッチ上に響きわたった。 両手を広げて「オフサイドじゃない」とアピールしたシュヴィルツォクだけでなく、味方のFWマテウスやFW前田直輝、背走を強いられたマリノスの両センターバック、岩田智輝と實藤友紀や左サイドバックのティーラトンも一瞬ながら足を止めた。 実況していたアナウンサーも「ああっと」と最初はオフサイドだと受け止め、直後に副審の様子を含めたピッチ全体を俯瞰しながら「いや、フラッグは上がっていません」と訂正。主審のホイッスルではないと気づいた選手たちも慌ててプレーを再開させた。 しかし、名古屋が仕掛けたカウンターは、必死に帰陣した岩田がシュヴィルツォクを止めて不発に終わった。このとき、マッシモ・フィッカデンティ監督をはじめとする名古屋ベンチは、マリノスベンチを指さしながら第4審判へ激しく詰め寄っていた。 何に対する抗議だったのかは、図らずも数分後に明らかになった。 名古屋のペナルティーエリア内へ攻め込んだDF小池龍太が、相手DF宮原和也ともつれて転倒した前半29分のプレーにVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が介入。OFR(オン・フィールド・レビュー)を経て、自らの目であらためてファウルなしを宣告し、飲水タイムを告げた家本主審のもとへ名古屋の選手たちが駆け寄ってきた。 マリノスベンチを指さしながら、森下とDF吉田豊が必死に訴え始める。そこへ単身でマリノスベンチへ向かい、何かを告げていたゲームキャプテンのDF中谷進之介も加わった。直後に家本主審までもがマリノスベンチへ向かっていった。 いったい何が起こっていたのか。