[懐かし名車] あまり知られていない、ハコスカ「GT-R」のこぼれ話を集めてみました
「GT-R」のエンジンは特別だけど、それ以外は…
率直に言ってしまうと、特別な部分はエンジンに一極集中しています。所有欲をくすぐる赤がアクセントカラーのバッジやエンブレムが車体の各所にちりばめられていますが、ベースのボディとシャーシはGTと同じで加飾が違うだけです。 当時は特別だった5速MTも後にGTにも用意されますし、少しバネレートの高いスプリングやダンパーも、乗って判別できるほどの違いは感じられません。 オーバーフェンダーや熱線を廃した白ガラスもGT-R専用の装備ですが、GTをGT-Rの外観に仕立てるカスタムが流行し、よほどの目利きでないと判別できないような多くの「R仕様」が作られた今、外観の特別度は少なく感じます。 言ってしまえば、エンジン以外はGTと同じなんです。 そのエンジンに関しても、目隠しでGT-Rに試乗してそれがGT-Rと分かる人はどれぐらいいるのだろうか? という感触です。 レースエンジン由来とは言え、万人が扱えて、いろんな環境でトラブルの発生を防止するよう仕立て直された「S20型」エンジンは、ツルシのままでL型エンジンとの明確な違いを感じるのは難しいでしょう。 GTにチューニングしたL型エンジンを搭載した車両の方が、明確にパワーがあり、フィーリングも優れていると感じます。 ちなみに15年ほど前までの中古相場は、GTが100万円前後だったのに対して、GT-Rがプラス30~50万円ほどでじゅうぶん入手可能でした。その価格差では妥当だと感じていましたが、今の高騰ぶりを目の当たりにすると、眉間の皺を隠せなくなってしまいます。 趣味のクルマとして気軽にカスタムして楽しめるように、旧車全体の相場が今の半額ぐらいまで下がってくれることを願って止みません。
────────── ●文:往機人(月刊自家用車編集部) ※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
月刊自家用車編集部