世界初! 空力ダクト搭載電動スポーツバイク、欧米2社が共同開発
英国の電動バイク開発企業のホワイトモーターサイクルコンセプト(WMC)と米国のゼロモーターサイクルズは11月12日、世界初となる革新的な空力ダクトを搭載した電動スポーツバイクのプロトタイプを発表した。 世界初の空力ダクト搭載電動スポーツバイク
この特許技術により、空気抵抗を10%低減し、航続距離の向上を実現している。
両社は2023年11月のミラノモーターサイクルショー(EICMA)で出会い、電動バイクの効率性向上と航続距離の改善という共通のビジョンを持っていた。今回のプロジェクトでは、ゼロの『SR/S』モデルをベースに、WMCの特許技術である空力ダクトを組み込んでいる。
開発された『WMCSRSコンセプト』は、フロントホイールの後ろから空気を取り込み、バイクの中心を通って後部シート下から排出する独自の二股ダクトを採用している。さらに、空気の流れを最適化するため、新しいフロントフェンダーとフォークシュラウドも設計された。
WMCはF1や世界的スポーツカー開発で培った技術を活用し、短期間でこのコンセプトモデルを完成させた。社内のエンジニアリングチームが、コンピューター流体力学シミュレーションや、モータースポーツで使用されるエアロレーキを用いた検証を行い、実世界でのテストまで実施している。
この空力技術は、高速走行時の航続距離を延ばすだけでなく、バッテリーの小型化によるコスト削減や充電時間の短縮にも貢献する可能性がある。また、製造コストも抑えられるため、実用化への期待が高まっている。
WMCの最高経営責任者であるロブ・ホワイト氏は、「自動車業界では効率性の追求により、5年前と比べて30%も効率が向上している。二輪車業界も、バッテリー技術の限界を超えて、補完的で一貫したソリューションを取り入れることで、ネットゼロへの移行を加速できるだろう」とコメントしている。
レスポンス 森脇稔