[懐かし名車] あまり知られていない、ハコスカ「GT-R」のこぼれ話を集めてみました
スカイラインGT-Rの型式名を紐解いてみると…
初代GT-Rの型式名は、最初に発売されたセダンボディが「PGC10」、後から追加された2ドアハードトップボディが「KPGC10」となっています。 ハードトップボディの型式名を頭から順に見ていくと、最初の「K」はボディタイプを示す記号で2ドアハードトップに充てられた文字です。 2番目の「P」が搭載エンジンを示し、プリンス自動車製の「S20型」2000ccDOHC高性能エンジン搭載の証です。 3番目の「G」もエンジンの種類を表しています。6気筒モデルが「G」で、4気筒モデルは何も付きません。そしてそこに続く「C10」はこの代のスカイラインという車種を表しています。 重要なのは2番目の「P」という文字だと覚えておきましょう。
GT-Rが憧れの象徴となった理由
この初代GT-Rはレースでの勝利を念頭に置いて開発された車両のため、特別なエンジンが搭載されているのが最大のポイントです。 当時の2Lクラスのエンジンの馬力は120ps以下というものがほとんどでしたが、そこに160psという桁違いのパワーを発生させるエンジンを搭載して発売されたため、スポーツカー好きの間に大きな衝撃を与えました。 搭載される「S20型」エンジンは、日産と合併する前のプリンス自動車が純レースカーの「R380」用に開発したものをベースにして、市販車に搭載するために出力を落として耐久性を向上させたユニットです。 GTグレードに搭載される「L20型」と同じ直列6気筒という構成は共通ですが、パワーの発生に重要なシリンダーヘッドにDOHCタイプを採用しているのをはじめ、ベースのシリンダーブロックや細かい部品に至るまでほぼすべてが専用設計という贅沢なエンジンです。 この強心臓を武器にして、発売年の1969年から参戦を開始したツーリングカーレースで多くの勝利を獲得。並み居るライバルたちに後塵を拝させ、参戦4年目の1972年には前人未踏の49連勝&通算57勝という記録を打ち立てました。 この輝かしい戦績が、当時大いに盛り上がっていたレース好きの心に刻まれ、GT-Rという名前が速さの象徴として確立したのです。