鹿島・大林組・大成建設は売上高最高…ゼネコン大手4社、4-9月期決算の全容
ゼネコン大手4社の2024年4―9月期連結決算が12日出そろった。手持ち工事の順調な進捗(しんちょく)や連結子会社の増加などにより、大林組と大成建設の2社が増収増益。一方、鹿島は単体と海外子会社の減益に伴い増収営業減益、清水建設は完成工事高が減少し、減収営業増益となった。25年3月期連結業績予想は、工事採算の改善などを背景に3社が増収営業増益を見込んでいる。 【一覧表】ゼネコン4社の決算詳細 鹿島は海外関係会社の建設事業の売上高拡大が売上高全体の押し上げに寄与し、微増ながらも過去最高となった。一方、各利益段階は海外関係会社が減益となった影響で前年同期を下回った。 大林組は国内事業の手持ち工事が順調に進捗したほか、米国の建設会社の子会社化により売上高が大きく伸長。「上半期としては過去最高となった」(佐藤俊美副社長)。損益面では採算性の良い案件への入れ替えが進み、手持ち工事の利益も改善したことが押し上げ要因となった。 大成建設はM&A(合併・買収)で連結対象の企業が増加したことに加え、「大型案件の受注が増えた」(岡田正彦副社長)ことで売上高が過去最高を更新。建築事業の利益率増加や営業外損益の好転などにより、各段階の利益が拡大した。 清水建設は完成工事高が減少したことから、売上高が前年同期に比べて減少した。利益については、工事採算の改善に伴う完成工事総利益の増加などにより、営業利益は前年同期比175億円増、経常利益は同135億円増と、いずれも大きく伸長した。 25年3月期連結業績予想については、鹿島と清水建設が売上高と全利益段階、大成建設は経常と当期利益を上方修正。大林組は従来予想を据え置いた。