前回V積水化学は隙のない布陣、資生堂は4区高島で逃げ切る配置、廣中の復活で日本郵政にも可能性【クイーンズ駅伝展望】
最終的に同じ1区になったが、昨年以上の走りをすることは間違いない。1区に起用された鈴木優花や日本選手権10000m5位の菅田雅香(23、JP日本郵政グループ)、プリンセス駅伝1区区間賞の伊澤菜々花(33、スターツ)、同駅伝5区区間賞の棚池穂乃香(27、大塚製薬)らとの区間賞争いから、抜け出す可能性もある。 しかし積水化学は2区(4.2km)に山本有真(24)がいるので、田浦も気持ち的にゆとりが持てる。前日会見での山本は手応え十分の様子で語った。「1区が良い流れで来たらさらに良くしたいと思いますし、万が一悪い流れで来たとしても、自分のところで良い流れに変えたいと思っています。名城大時代に全日本大学駅伝で4連覇しましたが、どういう位置でもらっても対応できました。私は駅伝には自信があります。積水化学2連覇の立役者になって、駅伝(全国大会)6連覇したいです」。 3区の佐藤早也伽(30)はどんなに速く前半を入っても、レース後半で必ず粘りを見せる選手。昨年の状態よりいいことを強調している。5区の新谷も同様に、スピードが落ちていた昨年シーズン後半より「スピードのベースがある」と明言した。 そしてアンカーの6区森智香子(31)は、優勝が決まっていればタイムも気にしながら走るという。「後ろとの差を気にして走り方を変えることはありません。自分が目標とする区間のタイムを目指して走るだけです。総合タイムで2時間11分台を出さなければいけないので、そこから逆算して6区のタイムが決まります」。 野口監督は前回優勝したときから、相手を見て目標を立てるのではなく、2時間11分台を出すことを目標としてきた。チームに緊張感を持たせるには、その方が良いと判断した。そのために各選手に、昨年の自分より成長することを求めてきた。 2区の山本が会見で「去年の練習より良い練習ができています。明日は去年(13分13秒で区間1位)より良い走りをします」と話したことに、チームのスタンスが表れていた。