元フランス代表主将ロリス、アルゼンチン代表選手の愚行に苦言「勝者には大きな責任が伴う」
ロサンゼルスFCに所属する元フランス代表GKウーゴ・ロリスが、アルゼンチン代表選手による人種差別的チャントに苦言を呈した。18日、イギリスメディア『BBC』が伝えている。 現地時間14日に行われたコパ・アメリカ2024決勝でコロンビア代表を延長戦の末に1-0で下し、大会連覇を果たしたアルゼンチン代表。祝賀ムードのなか、チームバスの車内でMFエンソ・フェルナンデス(チェルシー/イングランド)が自身のSNSでライブ配信を行なっていると、選手らがフランス代表の有色人種の選手に対して人種差別的なチャントを歌っている場面が全世界に公開された。 この動画が拡散されると、アルゼンチン代表の選手たちへの非難が殺到。フランスサッカー連盟(FFF)は「有害な人種的および差別的なコメントに対して告訴を起こす予定」としつつ、自国代表選手に対する人種差別を非難する声明を発表した。また、E・フェルナンデスが所属するチェルシーも人種差別行為を非難する声明とともに、内部での懲戒手続きを開始したことを明かしている。 大きな物議を醸しているアルゼンチン代表選手の人種差別的チャント。フランス代表歴代最多の通算145キャップを誇り、キャプテンとしてFIFAワールドカップロシア2018優勝などに貢献したロリスは「アルゼンチン代表は今や南米、そして世界のサッカーにおける顔とも言うべきチームだ。過去4、5年間に渡ってピッチ上で成し遂げてきたことは大いに称賛に値する」とした上で、母国を標的とした人種差別行為に不快感を示した。 「重要なトロフィーを獲得し、幸福感に浸っているかどうかは関係ない。勝者にはさらに大きな責任が伴う。サッカーにおいて、このようなことを聞きたくもないし見たくもない。我々は人種差別に反対しているし、今回のことは間違いだと思っている。人は時に間違いを犯すので、彼らがそこから学んでくれることを願っている。勝者となった場合、他の人々、とりわけ子供たちにとって規範にならなければならない。今回のことはフランス国民、アフリカ系の人々、そしてアフリカ系の家族を持つ人々への攻撃だった」 なお、問題の動画を公開したE・フェルナンデスは後に自身の公式SNSに謝罪の文言を掲載。さらにチェルシーのチームメイトに直接謝罪したとも報じられている。
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