「5Gをオンにしてください。5G SAもキャンペーン中です」コミケ直前、ドコモネットワーク担当者からのメッセージ
この日見学することができたのは、国際展示場の東駐車場に形成される東待機列の通信環境改善のための設備でした。具体的には、3台の5G移動基地局車と、2基の可搬型基地局がこのゾーンに投入されています。3台の移動基地局車は東駐車場の北側に2台、南側に1台配置し、その中間に2台の可搬型基地局を等間隔になるように配置しています。この局数・配置自体は「コミックマーケット104」のときと同じだそうですが、移動基地局車でのMMU搭載/LTEの3.4GHz帯・3.5GHz帯追加/5G SA化という強化を行っています。
臨時局でMMUを活用するのは、2024年10月に菊花賞当日の京都競馬場のトラヒック対策を取材した際にも行われていました。その後、北陸のイベントで同様にMMUを活用した事例があるそうですが、関東では今回の導入が初めてとのことだそうです。
可搬型基地局は、重さの関係もあって2本のアンテナを立てる形になっています。この日の時点ではまだアンテナが延ばされていませんでした。バックホールは既存の基地局が使用している光回線からケーブルを伸ばしているそうですが、電源はそこから引っ張ってくると距離があって電圧降下してしまうため、発電機からとっているそうです。
■展示棟内も含めて全面的に5G SA化 MMU導入と並んで通信品質改善に効果を見込んでいるのが全面的な5G SA化です。展示棟屋内の基地局は、C104の時点では5G非対応だったものの、C105までに全面的な5G SA対応が完了。すでにみてきた東待機列側の移動基地局車/可搬型基地局も5G SA化されており、西待機列側の基地局も5G SA化のうえでこれまでの臨時基地局が恒久基地局となっています。 5G SAは、4Gの通信帯域が混雑していると5G通信ができない5G NSAに対して、5Gの通信帯域だけで完結し、4Gがひっ迫していてもその影響を受けません。この特徴が、混雑する集客イベント会場でつながりやすさにつながることが期待できます。現状、5G SAは利用できるエリアがあまり広くないことから利用するメリットが感じにくいところがありますが、C105開催期間の会場周辺では、(ドコモならば)5G SAが使える場面が多いはずです。