「昔に比べたら、私らは温室育ちですよ」ーーAマッソ・加納愛子、芸人としての生き方 #昭和98年
女性芸人にもチャンスが増えていますけど
当面の目標はM-1決勝進出、そして優勝。 その先には、何を見据えているのだろうか。 「やりたい仕事はたくさんあります。エッセイ集『行儀は悪いが天気は良い』を出したばかりですけど、文筆なら長編小説とか、歌詞も書いてみたい。『ちびまる子ちゃん』のエンディング曲の歌詞を書くのが夢(笑)。テレビならコンビで冠番組もやりたいし、ロケも行かせてもらいたい。まだ大変なロケも経験したことがないんですよ。たぶん、私らがそういうのやらなそうだと思われてるから。昔に比べたら、女性芸人にもチャンスが増えていますけど、若手の女性MC爆誕、という感じではないじゃないですか。山田邦子さんとか、上沼恵美子さんとか、改めてすごいと思う。そこは、女性芸人として、それぞれ頑張っていかないとな、と」 プライベートは充実しているかと聞くと、「今は休んでいられる時ではない」と答えた。 「友達と遊んでても、何かラジオのネタになると思ってるし、趣味も読書とか映画観賞なんで、ぜんぶ仕事につながっているというか。あんまりプライベート欲しいとは思ってないですね。睡眠時間は確保してますけど。まあ、ワーカホリック。今はそういう時なんだと思って、過ごしてます」 「昔に比べたら、私らは温室育ちですよ」と加納は言ったが、Aマッソのお笑いにかける情熱は、ひたむきで、どこか昭和を感じさせる。漫才への愛、プロ意識。そんな加納がこれから生み出していく作品を、楽しみに待ちたい。 ____ 加納愛子(かのう・あいこ) 1989年大阪府生まれ。お笑い芸人。文筆家。同志社大学中退。幼なじみの村上愛とお笑いコンビ「Aマッソ」を結成。ネタ作りを担当。NTV「女芸人No.1決定戦 THE W」2022年ファイナリスト。エッセイ集『イルカも泳ぐわい。』、小説集『これはちゃうか』が話題を呼ぶなど、今もっとも新作が待たれる書き手の一人。芸の世界を志した理由、親友フワちゃんとの関係、学生時代のできごとなど、自分自身と向き合ったエッセイを収録した著書『行儀は悪いが天気は良い』(新潮社)が発売になったばかり。 ___ 「#昭和98年」は、Yahoo!ニュースがユーザーと考えたい社会課題「ホットイシュー」の一つです。仮に昭和が続いていれば、2023年で昭和98年。令和になり5年以上が経ちますが、文化や価値観など現在にも「昭和」「平成」の面影は残っているのではないでしょうか。3つの元号を通して見える違いや残していきたい伝統を振り返り、「今」に活かしたい教訓や、楽しめる情報を発信します。