「昔に比べたら、私らは温室育ちですよ」ーーAマッソ・加納愛子、芸人としての生き方 #昭和98年
相方とはある種の「利害関係」
加納といえば、フワちゃんとの仲のよさでも知られる。最近はお互いに忙しく、なかなか会えないのでは? 「いや~、ガンガン遊んでます。夜中に集まってジョギングして、喋って帰るとか。夏は海、冬はスノボ行ったり、アクティブですね。まあ、ご飯も行きますけど。フワちゃんは、もともと事務所の後輩で、ライブを手伝ってくれたりしてました。彼女がフリーになってすぐ売れたのは、やっぱり自分の見せ方もわかっているし、頭がいいから。自分の得意なものと、求められているものが、ちゃんとマッチしている人は早いなあ、と思いますね。やりたいこと、見られ方、得意なもの、その三つが合致しないと、いびつな状態になっちゃうのかな。フワちゃんからは、いろんなことを、めちゃくちゃ学んでますね」 相方の村上愛とは、小学生時代からの幼なじみだ。上京してしばらくは、一緒に暮らしてもいた。友達、仕事仲間として関係を良好に保つ秘訣は? 「私たちには“目的”がずっとあるので。やること、というか。まあ、それでしょうね。やりたいネタがあって、それに付き合ってもらってるという構図にも見えなくはないですけど、ある種、利害関係なので。だから今は純粋に友達かと言われると難しい。パートナーですね」
女同士はとかく難しい。小さな気持ちのズレが重なると、破綻に結びつくこともある。 「ああ、むちゃくちゃありますね。やる気のズレ。どんな仕事場でもそうでしょうけど、基本、9割ソレですよね。あいつ(村上)はやる気をなくすことがしょっちゅうあるんですよ。そういう時に、どうしたらやる気にさせるか。もう、とにかく褒めて、おだてて(笑)」 加納が作ったネタに対して、村上が拒否することも多々ある。 「話し合うというよりは、あいつがやりたくないと言ったらまずやれないので、引き下げます。『ちょっと、やりたいんですけど~』って粘る時もあるけど、まあ、ノーと言われたら、しょうがないですね」