「歯を失う」前に見落とさないで!歯磨きで出血、口がねばつく、前より歯が長いetc...、危険な"前症状"を要チェック!
白さや美しい歯列もさることながら、重視すべきは何歳になっても噛める機能。それを阻むのが、40代の日本人の約8割といわれる歯周病だ。歯科医の小川朗子先生が、機能も見た目も自信に満ちた歯で毎日を過ごせるように、歯の健康に欠かせないチェックをレクチャー。 【写真】歯周病のコロナ患者は、死亡率がなんと「9倍」...。新たな研究データに注目集まる 話を伺った人..... 小川朗子(AKIKO OGAWA):アンチエイジングデンタルクリニック恵比寿院長。歯科医師。抗加齢医学会認定専門医。
「歯周病」は、気づかぬうちに進行する
「歯周病は、細菌の感染によってひき起こされる炎症性疾患です。直接的な原因は生きた細菌の塊プラーク(歯垢)。プラークの中の細菌は酸素の少ない場所を好み、歯と歯肉の境目に蓄積。歯肉の縁にプラークが停滞すると歯肉が腫れ、その隙間からプラークが歯周ポケットに潜り込み組織を破壊します。初期は自覚症状がなく、進行すると赤みや出血、口臭、さらに深刻になると歯を支えている骨を溶かし、歯肉が下がり、歯がグラグラし、最終的には歯を失うことに」。(小川先生) そのダメージは全身に及ぶ。 「歯周病菌が口腔内に存在する慢性炎症状態で口の中に活性酸 素が増えると、体全体の老化を促進させる可能性が。また歯周病菌が血管内に入り込むと、動脈硬化、糖尿病、心血管疾患などの発症に関連するという報告もあります」 30代以上は、3カ月に一度は歯科医院でPMTCクリーニングを受けて、歯垢・歯石を除去し、歯周病を早期発見したい。 「進行した場合も、薬剤で歯周病の原因菌を除菌するペリソルブ療法や、骨を再生する外科的治療のリグロスなどの最新治療で改善は可能」 とはいえ一番大切なのは、フロスを使い、できれば毎食後正しい歯磨きでプラークを取り除くこと。唾液をたっぷり分泌させるよう心がけ、口呼吸をやめる意識も必要だ。
実はすでに歯周病かも!? こんな人は要注意
1,歯を磨くと出血する 歯肉の縁に赤みがある、疲れると腫れる、出血するのは、炎症のサイン。初期は痛みもなく、奥歯の赤みや腫れは自覚しにくいので出血があるなら即検査を。 2.慢性的に口がねばつく 睡眠時は唾液が減るため自浄作用が落ち細菌の活動が活発に。日常的にねばつくなら歯周病菌が増殖している可能性大。口臭を放っているかも……。 3.前より歯が長くなった 歯が長く見えるのは歯肉が下がっているから。歯を支えている骨が溶け始めていて、進行すると歯がグラグラ。歯の根っこが見えたら至急歯科へ。