ロックアイス50年、始まりはプラント業 小久保製氷冷蔵【経済トレンド】
袋詰め氷「ロックアイス」で知られる老舗製氷メーカー「小久保製氷冷蔵」は1929年東京都内で石油プラント業を開設したのが始まりだ。(共同通信=増井杏菜記者) 1947年、連合国軍総司令部(GHQ)の命令で軍需産業だった石油関連の事業を解体。冷凍設備を生かして製氷会社に転換し、1969年に今の社名に。だが、高度経済成長期で家庭に冷蔵庫が普及し、事業は衰退へ。そんな時に、故小久保歓前会長が出張先のハワイのスーパーで目にした袋詰めの氷にヒントを得て、商品化を目指した。 1973年、かちわり氷を袋に入れた「ロックアイス」が誕生。溶けても飲料の味を損ねないように時間をかけてゆっくり凍らせ、無味無臭で透明な氷をつくることに成功した。コンビニエンスストアでの取り扱いが増え、家での製氷が待てない層から支持されるなどして事業が拡大。「販売から50周年となるロングセラーとなりました」(広報) 使い切りのカップタイプやレジャーにも活用できる板氷も販売した。近年は、小中学校の熱中症対策やスポーツでのアイシング(冷却治療)などの支援も実施している。